ファーストリテイリングは、「ユニクロ(UNIQLO)」や「ジーユー(GU)」などのグローバルヘッドクォーターが入る東京・有明の有明本部で、4階(全体で約1万6500平方メートル)を倉庫からオフィスに改装した。具体的には、グループ内の各ブランドが使用できる大型撮影スタジオ、ウェブ制作専用のワーキングスペース、「ユニクロ」の仮想店舗、カスタマーセンターなどで構成。ここを同社が目指す“情報製造小売業”への変革を加速化するための基盤とし、客が実店舗・ECを問わず、「ほしい商品を、ほしい時に、ほしいだけ」買えるあり方をいっそう追求する。
写真や動画撮影のためのスタジオは約5940平方メートルで、「企業が独自に所有するスタジオとしては日本最大級」だという。自然光で撮影ができるスタジオもある。ウェブ制作専用のワーキングスペースでは、スタジオで撮影した画像や動画などとともに、最新の商品や着こなし情報を迅速に発信していく。
仮想店舗は「ユニクロ」の標準店(約1155平方メートル)、大型店(約1980平方メートル)を各1店構える。ここで店舗に商品を投入する前に、VMDや広告ビジュアルなどを確認・検証する。「ザラ(ZARA)」を擁するスペインのインディテックスが、ラ・コルーニャの本部にこうした仮想店舗を構え、VMDの検証などを行っていることはよく知られている。
カスタマーセンターはこれまで山口本社内に構えてきたが、それに加えて新たに有明にも約990平方メートルの拠点を設けた。同社が強化している客の声を反映したモノ作りである“VOC”(ボイス・オブ・カスタマー)をいっそう進めるのがその目的。世界中の客から届く声や要望を「直接経営層や本部社員に届け、リアルタイムで商品・サービス開発に活用する」という。
そのほか、4階にはスポーツジム、ホールなども構える。なお、有明本部は1〜3階がEC用の自動倉庫で、5階はジーユー本部、PLST本部、6階がユニクロ本部となっている。