TSIホールディングスの2021年2月期連結業績は、純利益が前期比77.0%増の38億円だった。コロナの打撃で本業のもうけを示す営業損益は118億円の赤字(前期は7000万円の黒字)に沈んだ。構造改革費用として店舗閉鎖や希望退職募集などに伴う特別損失86億円を計上したが、港区と新宿区で保有するビルの不動産売却益など特別利益248億円で埋め合わせたため、最終損益は黒字を確保した。
売上高は同21.2%減の1340億円。昨年春の緊急事態宣言による店舗休業とその後のアパレル消費の低迷が響いた。「ナノ・ユニバース(NANO UNIVERSE)」「アドーア(ADORE)」「ナチュラルビューティーベーシック(NATURAL BEAUTY BASIC)」といった都心立地で通勤などの場面で選ばれるブランドが大幅な減収になった。一方で、「パーリーゲイツ(PEARLY GATES)」「アンディフィーテッド(UNDEFEATED)」「アンドワンダー(AND WANDER)」といったスポーツ系やストリート系のブランドは前期実績を上回った。国内EC(ネット通販)売上高は同12.0%増の406億円になった。
22年2月期の業績は売上高1524億円(前期比13.7%増)、営業利益11億円、純利益16億円(同57.0%減)を予想する。売上高はコロナが本格化する前の20年2月期との比較で10.4%減になる。上期(3〜8月)はコロナの影響によって5億円の営業赤字、下期は一定の回復を見込んで16億円の営業黒字を見込む。