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TSIの中期経営計画 「パーリーゲイツ」「ハフ」など高収益事業に投資集中

 TSIホールディングスは、2024年2月期を最終年度とする中期経営計画「TSI INNOVATION PROGRAM 2024」を発表した。新型コロナの影響長期化を受け、高収益事業への重点投資とデジタルを軸とした経営改革に舵を切り、再生を急ぐ。同期末までに営業利益率10%を目指す。

 22年2月期からは高収益事業に投資を集中する。対象となるのはコロナ禍でも業績の堅調な「パーリーゲイツ(PEARLY GATES)」「ハフ(HUF)」などのスポーツ、アスレチック、ストリートウエアブランドが中心。「(好調事業は)シンプルにいい立地にいい商品、いい接客があれば売れる」(下地毅TSIホールディングス社長)との考えから、店舗立地や商品量、人員配置などを見直す。これらのブランドの都心の一等地にある店舗では、先駆けてデジタル化も進める。EC上で店舗試着やスタイリストの接客予約ができる仕組みや、アプリを使って顧客を識別するチェックインスタンドなどを導入する。
 
 一方、低収益事業に関しては店舗撤退やブランドの廃止も視野に、ECシフトを進める。春にリニューアルした「ミックスドットトーキョー(MIX.TOKYO)」は3月、販売スタッフコーディネートをテーマとしたECサイトとしてリニューアルした。販売員のオンライン上での評価制度の整備にも着手している。

 不振が続く基幹の百貨店ブランド、セレクトショップブランドは、商品企画の面から抜本的にテコ入れする。「ナノ・ユニバース(NANO・UNIVERSE)」ではクリエイティブディレクター制を導入し、独自の商品デザインや世界観を強める。

 データ活用においても、グループ全体でさらに連携を強める。TSIホールディングスは今年3月からグループの段階的な再編を進めており、22年3月期末までに事業子会社制を解消、持株会社TSIが各ブランド事業を運営する体制となる。「コロナ禍で経営の高速化の必要を痛感している。これまで事業会社ごとにバラバラだったデータを一元管理し、経営をダイナミックで迅速なものにしていく」。生産面でも、一元管理したデータをSCM(サプライチェーンマネジメント)に活用する。3Dによるサンプル製作なども駆使して機敏な生産・物流体制を構築し、適時・適量・適価の商品投入で収益最大化を図る。

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