J.フロント リテイリングの2021年2月期連結業績(国際会計基準)は、純損益が286億円の赤字(前期は371億円の黒字)だった。コロナによる大幅減収に加えて、昨年春の緊急事態宣言に伴う休業に伴う固定費の振替、津田沼パルコや所沢パルコの閉店決定に関する費用などがかさんだため、営業損益が242億円の赤字(同402億円の黒字)だった。
一般的な小売業の売上高に相当する総額売上高は、同32.4%減の7662億円に落ち込んだ。主力の百貨店事業(大丸・松坂屋)の総額売上高は34.7%減だった。百貨店は下期に回復基調を見せたが、コロナの第3波の影響で年末以降も足踏みが続いた。百貨店の免税売上高が同96.1%減の23億円とほぼ消失したことも痛手になった。昨年11月に開業した心斎橋パルコは想定を上回る売り上げ推移を見せた。
22年2月期は総額売上高が前期比30.6%増の1兆50億円、営業利益が110億円、純利益が40億円を見込む。総額売上高はコロナが本格化する前の20年2月期との比較で9割に満たない回復と予想する。