春本番を迎え、ランニングが気持ち良い時期が到来した。健康意識の高まりからランニングに興味を持つ人が増え、記録更新を目指す人から楽しさを優先する人まで、ランニングスタイルも多様化している。そんな中、「ニューバランス(NEW BALANCE)」の人気シリーズ“フューエルセル(FUELCELL)”から幅広いランナーに向けた新作“フューエルセル レベル ブイツー(FUELCELL REBEL V2)”が登場。弾むような反発性のミッドソールと、左右非対称に配置したシューレースホールによるフィット感、軽量性と耐久性に優れたアウトソールで、あらゆるランナーの足下をサポートする。ランニングを日常に取り入れ同シューズの魅力を知る、青山にあるセレクトショップ「レショップ(L'ECHOPPE)」コンセプターの金子恵治さんと、ミツロウや樹脂で記憶の断片を描くアーティストの中瀬萌さんに、走ることについて話を聞いた。
「レショップ」金子さんの
「服との距離が
ちょうど良くなる走り」
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ファッションへの造詣の深さを感じるアイテムセレクトと店構えのユニークさが話題を呼び、いまや東京を代表するセレクトショップの一つとして名を広げる「レショップ」。コンセプターの金子恵治さんは、バイイングからオリジナル商品の企画、SNS出演まで幅広く業務を担当。しかし、多忙な日々を送る中でも、ランニングは欠かさないという。そんな彼のランニングアイテムの選び方と、仕事との向き合い方を“ちょうど良くする”ランニングとは。
WWD:走り始めたきっかけは?
金子恵治「レショップ」コンセプター(以下、金子):もともと自転車にハマっていて、シクロクロス(オフロードを走る自転車競技)を6〜7年やってきました。そこから「もっと気軽に運動したい」との思いから自転車仲間と走るようになり、皇居を中心に週に2回ほど10キロ程度のランニングをしていました。「レショップ」をスタートした2015年から仕事が忙しくなりましたが、それでも週4で走るときもあります。
WWD:ランニングで何が得られる?
金子:一番はバランスです。実は会社員をしていたとき、社内で一番社販をするような“服バカ”だったんです。でも、あるとき社内の先輩に「洋服だけじゃダメだ」と言われてしまって(笑)。そこで、体を動かすことを趣味にして、洋服と運動に半分ずつ打ち込むようになりました。そのおかげで興味の幅も広がったし、生活のバランスも良くなったと思います。忙しいときほどランニングするように意識していて、海外出張でも走っています。買い付けのため1カ月ほど滞在するパリ出張では、朝にモンマルトルの坂を駆け上がり、街を一望するのが日課になっていました。
WWD:“フューエルセル レベル ブイツー”を履いた感想は?
金子:まずカラーリングが良いですね。ランニングシューズでは自分の好みにハマるカラーが少ないんですが、これは気に入りました。普段はクラシカルなアイテムや落ち着いた色に手を出しがちなのですが、このカラーは派手だけど自分のスタイルに取り入れられそうです。「レショップ」はUSアーミーの要素を落とし込んだオリジナルのランニングウエアを作っていて、それとも相性が良い。アッパーは涼しげな透け感があって、お気に入りのソックスのロゴも見せられるし、ショーツとも合わせやすいです。
WWD:機能面の印象は?
金子:フィット感に驚きました。足の幅と長さにピタッとフィットして、無駄な遊びがありません。でも締め付けは全くなく、快適です。ソールのクッションは柔らかめなので、コンクリートランや脚をいたわりたいときに重宝しそうです。
WWD:店からランニングカルチャーを伝えていきたい?
金子:そうですね。必ずしもガチである必要はなくて、「ランニングウエアがかっこいいから着てみたい」という動機でスタートしてもいいと思っています。結果的に運動につながりますし、ランニングアイテムを軸にして普段のファッションを楽しむのも面白い。自分自身、走ることで世界が広がって、それまで興味がなかったスマートウオッチやランニングウエアなど、魅力的に思えるアイテムが確実に増えました。これからもスポーティーなアイテムや健康に良いものを仕入れて、アイテムという“モノ”から、ランニングという“コト”の楽しさも発信していきたいです。
ランニングで「脳に余白を作る」
アーティストの中瀬さん
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中瀬萌さんは、ミツロウと樹脂を使う、美術史の中で最も古いと言われる絵画技法“エンカウスティーク”を独自に解釈して作品制作を行うアーティスト。絵を描く時間を「ひたすら自分自身と向き合うこと」だと話す彼女の日課は、アトリエのある山中や自宅近くの河川敷でのランニングだ。彼女の考えるランニング哲学とは。
WWD:ランニングをする理由は?
中瀬萌(以下中瀬):走る理由は2つあって、1つは制作のためです。数年前、夜中まで作品を作ったり、アドレナリンが出て夜に寝付けなかったりすることがよくありました。そんな生活を送る中で「体が資本だ」と気づき、健康に気を使うようになりました。学生のころは長距離走が好きじゃなかったし、最初はランを継続するのが難しかったのですが、心と体をリンクさせることが制作のクオリティーに直結すると分かってから、自然と日課になりましたね。もう1つは、日常生活で自分の心臓がつかまれるくらい追い込むシーンってないなと思ったこと。その苦しさを越えたところに、自分のタフさがあるんじゃないかと考えて、日々ランニングしています。
WWD:走ることで何か変化した?
中瀬:充実感に満たされて、1日が長く感じるようになりました。それに、フィジカル面で自分を追い込むと、情報で埋もれそうな脳に余白ができて、新しいものを受け入れる余裕が生まれていると思います。周りの人に「ストイックだね」と言われますが、決してそうではなくて、体の良いコンディションを楽しんでいるだけなんです。
WWD:“フューエルセル レベル ブイツー”の履き心地は?
中瀬:走っている間、心地いい軽やかさを感じました。私は足の幅が広めでシューズ選びに困ることが多いのですが、これは初めて履いた瞬間からフィットする感覚があります。特に足の甲の自由度は抜群で、全く違和感を感じません。反発力もあって、スムーズに前に進んでくれます。
WWD:これから挑戦したいことは?
中瀬:4mくらいの大きな作品を作ること。体の可動域以上の大きさのものに向き合ってみたいんです。でも、作品を作るよりも先に、人間としてどう生きたいかにも思いを巡らせていきたいな。ちゃんと呼吸して生きているかどうかを重視して、これからも自分と向き合っていきます。
“フューエルセル レベル ブイツー”は、自然と前に出る推進力と、速さを追求する反発弾性を前作からさらに強化したモデルだ。高いフィット感をもたらす左右非対称なシューレースホールと、優れたソールのクッショニングは継続し、緩やかなファンランから激しいトレーニングまで、幅広いランニングに対応する。さまざまなタイプのランナーが描く、理想のランニングスタイルをかなえてくれる一足に違いない。
TEXT:AIKA KAWADA
ニューバランス ジャパンお客様相談室
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