中国のソーシャルeコマースプラットフォーム「ラブストック チャイナ(LOVESTOCK CHINA)」が日本に初上陸し、4月15日に「ラブストック ジャパン」の公式オンラインストアをスタートする。
「ラブストック チャイナ」が扱う商品は、衣類、バッグ、シューズ、コスメ、家具、デジタル商品、食品など11ジャンルで約1万ブランド。2017年のサービス開始以来、3年間で約3000億円を売り上げたという。
「ラブストック チャイナ」の創業者が、日本の投資家との共同出資により、ラブストックジャパンを昨年設立した。
「ラブストック ジャパン」の商品ラインナップで注目したいのは、オリジナルのファッションブランド「ケーオーエル(KOL)」だ。ブランド名は、「キー・オピニオン・リーダー」(強い影響力を持つ人)を意味する。総合エンターテインメント企業プラチナムプロダクションと提携し、同社に所属する次世代のモデルやタレント12人をディレクターに起用して、1つのブランドを作り上げるユニークなブランディングだ。各ジャンルで活躍する彼女たちが、”自分らしく、自然体でファッションを楽しむ”をテーマに独自のスタイルをデザインした。生産は繊維商社の豊島が手掛け、同社が開発したオーガニックコットン「オーガビッツ(ORGABITS)」などを使用するほか、下げ札はFSC認証(森林認証制度)を受けた紙、タグネームはペットボトルをリサイクルした糸を用いるなどサステナビリティにも配慮していることも特徴だ。価格帯は、2000代~9000円。
「ケーオーエル」のディレクターを担う12人のうち、モデル・タレントの茜子、女優・モデルの鈴木ゆうか、モデル・タレントの世良マリカの3人にデザインの思いを聞いた。
WWD:「ケーオーエル」のブランドサイトでは、各自がモデルとなって個性的なコーディネートを提案している。
鈴木ゆうか(以下、鈴木):ファッションブランドのディレクションは初めてです。自分が着たい服と、誰かに着てほしいと思う服の両方をデザインしました。やりたいことがあり過ぎて、頭の中がごちゃごちゃになりましたが、最後はきれいにまとまったと思います。
WWD:デザインのポイントは?
鈴木:“スタイルアップ&ハイウエスト”がテーマです。スタイルが良く、足が長く見えるようにデニムのスカートはハイウエスト。スカートの3段フリルは、可愛いポイントです。好きな韓流の要素も取り入れました。どれも流行に左右されないデザインです。
世良マリカ(以下、世良):私は、動きやすさと色使いにこだわりました。今日自宅から着てきたニットワンピースはストレッチ素材で、快適に過ごせています。スニーカーにも合わせられるし、ちょっとしたお出かけにも最適です。デザインはシンプルなので、目を引くカラーにこだわりました。ブルーやオレンジなどバリエーションが充実しているので、自分の好きな色を見つけて挑戦してほしいです。
茜子:海が大好きなので、「ザ・海!ヘルシー!」をテーマに、着心地の良いスタイルをイメージしました。私は小柄(153cm)なので合うサイズやデザインが見つからないという悩みがあったのですが、私と同じ思いをしている女性を意識しながら“脚長効果”や“細見え”にこだわったデザインがポイントです。股下のスナップボタンやインナーパッドなど、テクニカルな仕様が備わった機能的なボディスーツは、薄手のシャツやショートパンツと合わせて海に出掛けたいと思わせます。水着に合わせてもかわいいアイテムばかり。私以上に小柄な姉にも着てほしいです。
WWD:環境にやさしいもの作りも「ケーオーエル」の特徴だ。
世良:高校1年生の時、授業でSDGsのことを習って以来、サステナビリティに興味を持ちました。自分もマイバッグを持つようになったり、参加したミス・コンテストのスピーチでもSDGsに触れました。「ケーオーエル」の服作りにもサステナブルな素材使いを重視しています。可愛さだけでなく、着やすさにこだわったのも、できるだけ長く愛用してほしいからです。
鈴木:私がデザインしたアイテムの一部には、トレーサブルオーガニックコットンが使用されています。私自身も着なくなった服は捨てずに、回収サービスを利用することが多くなりました。自分ができるサステナビリティを実践しています。
WWD:売り上げ実績によってはディレクター交代もある厳しいルールだ。
茜子:みんなとはファッションショーで顔を合わせることはたまにありますが、ふだん一緒に仕事をする機会はないので新鮮です。ライバル意識は持っていません。
WWD:「ケーオーエル」で今後目指したいことは?
鈴木:幼いころから絵を描いたりして、ファッションデザインはやりたいことの1つだったので真剣に取り組みたいと思います。街を歩くのが楽しくなる可愛い服のデザインを目指します。
世良:自分の好きなものだけを詰め込むのではなく、着る人のことを考えないといけない。服作りは簡単でないと実感しています。たくさん売ることとサステナビリティの両立は難しいことですが、ファッションを通してどんな貢献ができるのか考えたいと思います。
茜子:肌の露出を気にせず、水着とコーディネートできる服は少ないと思っていたので、自分にとって新しい挑戦になりました。これまであまり知識がなかったサステナビリティについても、学ぶチャンスになると期待しています。