「無印良品」を運営する良品計画の2020年9月〜21年2月期連結業績は、売上高に相当する営業収益が前の年の同じ期間に比べて2.7%増の2283億円、営業利益が48.2%増の233億円だった。コロナ下における新常態で同社が得意とする生活必需品へのニーズが高まった。値引きの抑制によって粗利益率が1.1ポイント改善したことも利益の底上げにつながった。
日本の既存店およびEC(ネット通販)の売上高は同7.9%増だった。10月、1月に分けて実施した値下げの効果もあって客数が17.0%増えた。分野別売上高では衣服・雑貨が3.9%減の466億円と伸び悩んだが、生活雑貨が6.1%増の698億円、食品が59.8%増の229億円と牽引した。巣ごもり消費の追い風を受けた食品は、引き続きレトルトカレーなどがヒットした。食品の売上高は2年前に比べて倍増しており、売上高構成で16%に上昇した。
日本だけでなく、中国を中心とした東アジア事業も増収増益を達成し、ロックダウンが続いた欧米事業の赤字をカバーした。
通期(21年8月期)は売上高4876億円(前年の同じ期間に比べて21.4%増)、営業利益492億円(同約3倍)の過去最高業績を見込む。