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三陽商会、荒療治の繰り返しは結実するか 今期は「攻め」で黒字化目指す

 三陽商会は2022年2月期、6期ぶりとなる営業黒字を目指す。新型コロナウイルスの影響長期化を織り込みながら、前期比16%増となる売上高440億円、売上総利益率は1.6ポイント改善し、営業利益1億円を見込む。14日の決算会見に登壇した大江伸治社長は、16年の“バーバリーショック”に触れ、「黒字化を達成できれば、ようやく乗り越え、新しい一つの収益体制が構築できたと言える。不退転の覚悟で臨みたい」と話した。中期の成長戦略として2025年2月期に売上高520億円、営業利益率10%を掲げた。

 同社は20年6月に就任した大江社長の下、店舗撤退や販管費の削減による構造改革を進めてきた。21年2月期中に百貨店の160売り場、直営18店を撤退したほか、販売員を含む希望退職者の募集を実施し、募集を30人上回る180人の応募があった。

「痛みを伴う改革には一定のメドはついた」と大江社長。22年2月期はこれらの店舗集約と販管費構造の抜本改革により、黒字化の前提となるローコスト運営が可能になった。その他にも、粗利率のさらなる改善のための施策を打つ。21年2月期と比較して、在庫の仕入れ量は金額にして13億円少ない156億円分とし、期中発注枠を増やして市場変化に対応しやすいMDを組む。販管費は31億円削減して214億円とする。

 また、22年2月期を「守りから攻めへと転じる」シーズンと捉え、基幹ブランドの直営店やアウトレット店の出店を行う。「マッキントッシュ ロンドン(MACKINTOSH LONDON)」の旗艦店のほか「マッキントッシュ フィロソフィー(MACKINTOSH PHILOSOPHY)」の新ライン“グレーラベル”専用の新業態を数店舗出す。低迷していたセレクトショップ業態「ラブレス(LOVELESS)」、婦人服の「キャスト(CAST)」は期中に事業継続の可否を判断する。

 自社EC「サンヨー・アイストア(SANYO ISTORE)」はプロパー販売の強化が最優先事項。「販売のおよそ8割を値引き商品が占める」という状態から脱却するため、3月中にEC内のプロパーカテゴリーとアウトレットカテゴリーを分離。「中期的にはブランドごとバラバラにあるECとも統合して、実店舗と連動した新しいECを構築していきたい」とする。

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