見つけた!消費者都合のリアル店舗
表参道ヒルズから撤退し、そこから歩いて4、5分の場所にオープンした、「シュウ ウエムラ」初のグローバル旗艦店「シュウ トウキョウ メイクアップ ボックス」は、一見の価値アリのリアル店舗です。
>「シュウ ウエムラ」初のグローバル旗艦店が表参道に今春オープン
このタイミングでオープンするリアル店舗ですから当然、「OMOの中で、何をするの?」「密を避けなきゃならない状況で、何ができる?」、そして何より「好立地の表参道ヒルズでもなく、便利なデジタルでもない店舗に来る消費者は一体、この店舗に何を求めるの?」を考えなければなりません。で、このグローバル旗艦店は、それを思考し、上手に表現したなと思うのです。
「自分が、お客様だったら?」と想像してみてください(コレ、大事)。表参道からキャットストリートを渋谷方向に、さらに「アディダス」の角をもう一回左折という立地(考えてみれば、目貫通りの一等地じゃないのに、ブランド初のグローバル旗艦店って言うのも業界人には驚きですね。立地より規模を選ぶのは、今後の潮流になるでしょう)の店舗に行く理由は、大別すると「もっとブランドを知りたい」「もっとメイクが上手くなりたい」「ここでしか買えない製品が欲しい」あたりでしょうか?今なら「百貨店は、混雑しそうでチョット……」なんてニーズもあるでしょう。
この店舗は、そんなニーズの全てに寄り添うのです。「もっとブランドを知りたい」人には、ヒーロー製品ながら一番試しづらいクレンジングオイルを体感できる温泉風の手水場から、フランク・シナトラが植村秀に送ったというメイクアップボックス‼︎「もっとメイクが上手くなりたい」には、有料ながら個室でマンツーマンのメイクアップレッスン。「ここでしか買えない製品が欲しい」人は、ピグメントを自分で調合してオリジナルカラーが作れます。
てなカンジで、それぞれのコンテンツがブランド都合ではなく、消費者都合で設計されているのです。一通りを体感すると、「リアル店舗に来たのに、デジタル接客ってナンダ?」とか「周りに有名なカフェはいっぱいあるのに、ここでコーヒー、買うか?」など、数多ある既存のリアル店舗が提供するサービスに対して「それって、本当に欲しいんだっけ……?」なんて再考してしまうほどです(苦笑)。
ジェンダーレスな制服もカッコいいですよ。学びがいっぱいあると思います。
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