スニーカー業界のサステナビリティをけん引してきたアディダス(ADIDAS)は、“END PLASTIC WASTE”を掲げ、2024年までに全商品においてバージンポリエステルの使用を廃止し、リサイクルポリエステルへの切り替えを目指している。20年に定番モデル“スタンスミス(STAN SMITH)”の全商品をリサイクル素材に切り替えることを発表した。
4月7日には、持続可能な未来に向けて前進した“スタンスミス”の誕生を記念するトークショーを、アディダス オリジナルス フラッグシップ ストア 新宿で開催した。トーマス・サイラー(Thomas Sailer)=アディダス ジャパン副社長や阿部勇紀「ハイプビースト ジャパン(HYPEBEAST JAPAN)」編集長兼マネージングエディター、向千鶴「WWDJAPAN」編集統括兼サステナビリティ・ディレクターが登壇し、モデルでタレントのマリエがファシリテーターを務めた。
“スタンスミス”をサステナブルに
したのは世界を変えるため
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トークショー前半では向「WWDJAPAN」編集統括が、業界全体でサステナビリティへの取り組みが加速している現状について語った。環境先進企業のアディダスは、1990年ごろから、二酸化炭素排出量削減に向けてさまざまな取り組みを実践してきた。サイラー副社長は「特に2015年に海洋環境保護団体パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ(PARLEY FOT THE OCEANS)と連携して以降、世界をより良い場所にしていこうという考えがブランドに根付いた。今ではプラスチックの廃棄をなくす“END PLASTIC WASTE”が、ブランドの存在を定義している」と、同社の姿勢を語った。
向「WWDJAPAN」編集統括は、アディダスが19年に発表した100%リサイクル可能なランニングシューズ“フューチャークラフト.ループ(FUTURECRAFT.LOOP)”を例に挙げ、「サステナビリティはイノベーションであり、かっこいいというメッセージが読者に響いた」と反響を振り返った。阿部「ハイプビースト ジャパン」編集長は「ストリートカルチャーのシーンでは、まさに“かっこいい”という文脈に落とし込み、自然と消費者に手に取ってもらうこと大切だ」と加えた。
マリエは生まれ変わった“スタンスミス”について、「デザインを変えずに、中身だけを進化させたのが衝撃だった」とコメントすると、サイラー副社長は「変化を起こすためには、リスクを取ることも必要だ。1970年代から続くアイコニックなモデルを、サステナブルに変えると決断した時は社内外から懐疑的な反応もあった。しかしこのようなリスクは問題ではなく、世界をより良い場所にしていくための可能性だと考えた」と、背景を語った。
最後にマリエは「新しいトレンドはいつか当たり前になる。サステナビリティも今後のニューノーマル、当たり前になると信じている」と、トークショーを締めくくった。
期間限定のフォトブースで
自分自身が“スタンスミス”のロゴに
5月31日までの期間限定で、アディダス オリジナルス フラッグシップ ストア 原宿と新宿などの一部の店舗にフォトブースを設置した。今から始められるサステナブルなアクションを選択して顔写真を撮影すると、“スタンスミス”のシュータンロゴのデザインに加工されたオリジナル画像を作成できる。
最新コレクションはグリーンの
キャラクターが大集合
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高機能リサイクル素材“プライムグリーン(PRIME GREEN)”をアッパーに使用した最新コレクションでは、「トイ・ストーリー」のレックスや「ピーター・パン」のティンカー・ベル、「モンスターズ・インク」のマイクなど、ディズニー、ピクサー、マーベルのグリーンのキャラクターがデザインに生かされている。それぞれの個性をカラーリングや素材感で表現し、かかと部分にはカーミットの代表的なセリフ“it's not easy being green”を施した。