ダンス用品のチャコットは、化粧品を4月16日から刷新した。名称を「チャコット フォー プロフェッショナルズ(CHACOTT FOR PROFESSIONALS)」から「チャコット・コスメティクス(CHACOTT COSMETICS)」に改称し、パッケージも中身も新しくする。舞台用の化粧品として培ってきた品質や機能を生かしつつ、バラエティストアやEC(ネット通販)で一般消費者への訴求を強める。3年後に売上高を20年2月期に比べて約2倍となる50億円に増やす。
刷新したのはフィニッシングパウダー(税込1320〜1980円)、クリームファンデーション(同1100〜2970円)、パワーフィットマスカラ(同2200円)など39アイテム。品目数では全体の1割ほどだが、売り上げシェアでは7割を占める主力商品となる。保湿性や発色などを高めるとともに、オーガニック認証原料やフェアトレード原料の採用も増やすなど環境にも配慮した。刷新を機にOEM(相手先ブランドの生産)から自社開発に切り替える。
同社はバレリーナやダンサーなどステージメイク用として1997年から化粧品に参入した。激しく動きや強い照明など舞台の過酷の状況下でも、汗に強く、子供の肌にも優しいと口コミで評判になり、2000年代前半から一般の女性にも使われるようになった。現在ではステージメイク以外の用途が過半になっている。販路はチャコット直営店や一部バラエティストア、ECなど限られるものの、同社の売上高105億円(20年2月期)の約2割を占める柱の一つに育っている。
親会社であるオンワードホールディングスは4月8日に発表した中長期ビジョンで非アパレル分野の大幅な拡充を掲げており、化粧品は戦略的部門と位置づけられている。チャコットの馬場昭典社長は「70年以上にわたってダンスで培ってきた当社の資産は、生活のさまざまな場面で活躍するポテンシャルを秘めている。中でもコスメは海外も含めてもっと多くのお客さまにその良さが評価されるだろう」と話す。