デザイナーのトミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)は、ニューヨーク州のエルマイラ・カレッジ(Elmira College)にトミー ヒルフィガー ファッション ビジネス スクール(Tommy Hilfiger Fashion Business School)を立ち上げた。
同教育プログラムは、弟のアンディー・ヒルフィガー(Andy Hilfiger)と妹のベスティー・ヒルフィガー(Besty Hilfiger)と共に設立。一般教養を広く教育するリベラルアーツ系大学のエルマイラ・カレッジの経営学部のバチェラーコースの1つとして、経済学とファッション業界での実習を合わせた内容を提供する。2021年秋から受講可能。ファッションマーケティングとマーチャンダイジングに特化したカリキュラムを新たに組んだ。ファッションマーチャンダイジング専攻では市場調査やビジネスデザイン、データ収集・分析など、ブランドを運営する上で市場動向を読み解くスキルを教育する。ファッションマーケティング専攻では、ブランドを立ち上げるまでのマーケティング及びコミュニケーション戦略について教える。講義には、トミーとつながりを持つ業界人も登壇者として招待する予定だという。
エルマイラ市はヒルフィガー一家が幼少期を過ごした場所で、トミーにもゆかりのある土地だ。高校を卒業してすぐ「ピープルズ プレイス(PEOPLE’S PLACE)」の事業を開始したトミーは、エルマイラに1号店をオープンした。「故郷のエルマイラに恩返しをして、ファッションでキャリア構築を目指す学生らを応援したい。ファッション業界には絶えず才能を持った新しい人材が加わっている。基礎知識と経営に関する経験を提供することで、これから何かしたいと考えているデザイナーや企業家の形成に貢献するだろう。エルマイラ・カレッジはクラスの内外での体験学習に定評がある。学生に新しいキャリアの道を開くだけでなく、業界にとっても豊かな人材の確保につながるはずだ」とコメント。
エルマイラ・カレッジは1855年創立。35を超える専攻プログラムやコースを持つアメリカの歴史的なカレッジの一つだ。プレジデントを務めるチャールズ・リンジィ博士は、「より包括的で幅広い教育を求める生徒の期待に応えるだけでなく、働く上で求められるニーズの変化にも対応していかなければいけない。トミー ヒルフィガー ファッション ビジネス スクールのようなプログラムやパートナーシップは、リベラルアーツと専門教育をつなぐだろう。今まで以上に複雑化していくこれからの労働環境において、生徒に成功への近道を用意できるはずだ」と語った。一般教養に加えて、ファッションに関する業界共通の高いレベルの知識を次世代に託すことを目標の1つに掲げた。
PVHコープ(PVH CORP)傘下の「トミー ヒルフィガー」は、1985年創業。創業者のトミーは21年現在、ブランドのプリンシパル・デザイナーを務める。19年の売上高は92億ドル(約9900億円)だった。