ファッション

コロナ禍を打破する、石川涼の全国巡業計画「#FR2DOKO?」は何がすごいか?

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 せーのの石川涼社長が手掛ける「エフアールツー(#FR2)」は、2月に移動型販売店舗「エフアールツードコ?(#FR2DOKO?以下、ドコ?)」を始めた。1年以上続くコロナ禍で人の移動が極端に減り、リアル店舗は軒並み苦戦を強いられている。そもそも「#FR2」はデジタル時代にあえて、“その場所でしか買えない”というコンセプトでEC販売をせず、原宿をはじめ、金沢や伊勢、祇園、那覇などの観光地を中心に出店。店舗ごとの限定商品を扱い、人気を集めてきたブランドだ。コロナを機に解禁したECが売り上げをカバーしても、毎週末のように行列が絶えなかった「#FR2」にとって、その影響は計り知れない。そんな中で始めた次の秘策が、自ら出向くアパレルの移動販売だ。(この記事はWWDジャパン2021年4月12日号からの抜粋です)

 「ドコ?」は全国各地を黄色の専用車で売り歩く移動型の販売店舗だ。購入希望者は、全国各地を移動する車を、地図コミュニケーションアプリ「ゼンリー(Zenly)」の位置情報を頼りに探す。販売場所はインスタグラムやツイッターのDMで募った、全国各地の協力者の土地。2月20日にスタートして以降、週に1度、これまでに茨城、群馬、山梨、静岡、栃木、埼玉、千葉、神奈川、長野で実施してきた。現在は軽自動車と社用車(ミニバン)の2台態勢。一度に持って行ける商品量は売り上げにして200万円分ほどだが、ほとんどの場所で完売している。3月7日に静岡で行われた「ドコ?」を追った。

 静岡では、石川社長の地元である富士宮市と静岡市の2カ所で販売した。滞在時間はそれぞれ2時間ほど。開始時間も公表しないため(現在は事前に発表)、「ドコ?」のインスタグラムのストーリーズと「ゼンリー」だけが頼り。晴れれば富士山が目の前にそびえ立つ絶景を拝めるが、この日の天気はあいにくの曇りで今にも雨が降り出しそうだ。人口12万人の街には大型のイオンモールこそあるが、“田舎町”というのがピッタリな印象。この日の会場となった旅館かめやの駐車場に開始時間の11時を少し回って到着すると、すでに30人程度の列ができていた。周りを見渡すと、「#FR2」を着た若者が続々とこちらに向かってくるのが見える。市内から車で来たという3人組に話を聞くと、「ゼンリー」の位置情報と、先に並んでいる客がタグ付けしたインスタグラムの投稿を見て旅館を検索し、場所を確信したとのこと。

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