「フェンディ」がパリで発表したファーのオートクチュール・コレクションを東京で再現
「フェンディ(FENDI)」は27日、パリで7月8日に発表したばかりのファーのオートクチュール・コレクション“オートフリュール(HAUTE FOURRURE)”のショーを東京国立博物館 表慶館で開催した。カール・ラガーフェルドとのコラボレーション50周年記念して制作されたもので、今年ブランドの日本上陸50周年を迎えたことから東京での発表が決定。日本だけでなくアジアから顧客やメディアを招いた他、ピエトロ・ベッカーリ=チェアマン兼最高経営責任者(CEO)とシルヴィア・フェンディ=クリエイティブ・ディレクターも来日した。
会場となった表慶館は、1900年に当時の皇太子(後の大正天皇)のご成婚を記念して建てられた明治末期の洋風建築を代表する重要文化財。そこに黒の絨毯を敷き詰めて、黒い椅子を並べ、シックな空間に仕上げた。ショーでは、リリー・ドナルドソンやリンジー・ウィクソン、ジュリア・ノビスなどパリでのショーにも登場したモデルが多数来日し、ランウエイを闊歩。ローマにファー工房を擁するメゾンのクラフツマンシップと、パリのオートクチュール工房、ロシアの染色工房の技術を掛け合わせ、“ファーの王道”と呼ぶにふさわしいコートを中心に贅を尽くしたアイテムを披露した。例えば、柄のように見えるコートはリンクスやミンク、フォックスなどさまざまなファーを小さなピースにカットしてはぎ合わせたもの。濡れたように見える独特な染色のコートは、ロシアの染色職人の革新的な技術により実現したという。また、銀色の花の刺しゅうを施したロングケープは裏返すと大きさの異なるファーのピースがグラデーションを描くかのようにはぎ合わされているなどリバーシブルのアイテムも提案。ファーに組み込んだPVCで流線柄を描いたコートからは「フェンディ」の伝統と革新の融合を垣間見ることができる。
ショー後には、会場の横にある法隆寺宝物館でアフターパーティーを開催。ショーのゲストに加え、ランウエイに登場したモデルも来場し、華を添えた。パーティー会場では、披露したばかりのアイテムを展示。来場者は、間近でそれぞれのピースに込められた卓越した技術を堪能した。