百貨店やショッピングセンター(SC)は24日、緊急事態宣言に伴う25日からの臨時休業を相次いで発表した。政府や4都府県(東京、大阪、京都、兵庫)による休業要請は、床面積が1000平方メートル以上の店舗が対象。食品など一部の生活必需品は時短で営業を継続するが、ファッションを含めた大部分の売り場は明日から休業になる。
百貨店では、食品はほぼ全店で営業を続ける。化粧品や一部雑貨では対応に違いが出た。店舗単位で一部例外はあるものの、三越伊勢丹、大丸松坂屋百貨店、高島屋(東京の店舗)、そごう・西武、松屋は、化粧品売り場の営業を継続する。一方、阪急阪神百貨店、近鉄百貨店、東武百貨店は化粧品売り場も休業する。化粧品売り場は昨年春の臨時休業時に「お客さまの要望が高かった」(大丸松坂屋など)こともあり、生活必需品として営業継続を判断した。東武百貨店池袋本店はメガネや補聴器などを予約制にした上で顧客を受け入れる。
百貨店は地下1階が食品、地上1階が化粧品というフロア構成が多いため、フロア単位で運営管理がしやすい事情もある。化粧品売り場に隣接するハンカチ、靴下、傘、帽子などの服飾雑貨売り場を営業する店舗も少なくない。一方、同じフロアにあっても靴やバッグ、アクセサリー、ジュエリー、ブランドブティックは大半が営業しない。
阪急阪神百貨店は阪急うめだ本店、阪神梅田本店、神戸阪急について、土日・祝日は食品を含めて全館休業にする。緊急事態宣言の25日から5月11日の17日間のうち、ゴールデンウイークを含めて9日間が全館休業になる。同社の広報は「人流を止めるには、土日・祝日に百貨店が目的地になることを避けるなければならない」と説明する。
SCもルミネ、パルコ、マルイ、ギンザシックス、渋谷スクランブルスクエア、六本木ヒルズ、表参道ヒルズ、丸ビル、新丸ビル、ルクア大阪などが休業を発表したが、テナントとして入る食品スーパー、ドラッグストア、コンビニエンスストア、日用品などは営業するケースが多い。フロア構成や動線の関係、あるいは館の方針で同じ「無印良品」や「東急ハンズ」でも営業するケースとしないケースに分かれる。