複数の業界筋によると、資生堂は「ベアミネラル(BAREMINERALS)」「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」「バクサム(BUXOM)」を売却するようだ。資生堂の担当者は「あくまでも噂であり、コメントはできない」としている。
新型コロナウイルスの影響で同社のメイクアップブランドは大きな打撃を受けており、中でも「ベアミネラル」は苦戦しているという。魚谷雅彦社長は今後スキンケアにフォーカスを当てると掲げ、2023年までに売り上げの80%をスキンケアが占めることを目指す。現在スキンケアは全体の約60%を占めるため、メイクアップブランドの売却により目標に近づけられると推測される。
資生堂は「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」とのライセンス契約の終了を発表したばかりだ。そのほか新型コロナウイルスによるメイクニーズの低迷を受け、業界では各社によるM&Aが続いている。ロレアルは昨年洗顔ブラシが有名な「クラリソニック(CLARISONIC)」を終了させ、日本のスキンケアブランド「タカミ」の買収を発表した。エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)は「ベッカ(BECCA)」と「ロダン オリオ ルッソ(RODIN OLIO LUSSO)」を終了し、カナダ発の化粧品メーカー、デシエム(DECIEM)を買収する。ユニリーバ(UNILEVER)でも「キューティップス(Q-TIPS)」「カレス(CARESS)」「インパルス(IMPULSE)」など一部のパーソナルケアブランドを手放すことが決定している。