「シャネル(CHANEL)」から、香水「シャネル No5(以下、No5)」誕生100周年を記念したハイジュエリーコレクション“コレクション No5”が登場する。123点の同コレクションは、「No5」のボトルから残り香(シヤージュ)などに光を当てている。これらのハイジュエリーは、パリのヴァンドーム広場やエメラルドカットをほうふつとさせる八角形のボトルストッパー、幾何学的でタイムレスなシルエットのボトル、そして、ガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)のラッキーナンバーであった力強く官能的なフォームの数字”5“、香水の原料であるジャスミンやバラ、イランイランなどの花々、そして残り香という5つの要素にフォーカスして制作された。シャネルのパトリス・ルゲロー(Patrice Leguereau )ファインジュエリー クリエイション スタジオ ディレクターは、「マドモアゼル・シャネルの香水とハイジュエリーへの大胆かつ卓越したアプローチを再発見するコレクションだ。このコレクションの制作を通して、『No5』が持つ魂が歩んできた旅を追体験できた」と述べている。
シンボリックな香水の要素をジュエリーで表現
ボトルのストッパーをモチーフにしたジュエリーは、ロッククリスタルやダイヤモンド、オニキス、イエローサファイアなどを使用し、「No5」の世界に続く入り口を象徴している。ボトルの形は、ロングネックレスやブローチ、ペンダントに反映。ダイヤモンド、カナリア色のイエローダイヤモンド、イエローサファイアのグラデーションが美しい作品などが見どころだ。数字“5”はこのコレクションを象徴するモチーフで、さまざまなデザインで登場。香水の一滴を表すようなイエローベリルが印象的なイヤリング、オニキスで縁取られた“5”をあしらったリングなど、遊び心溢れる作品ばかりだ。「No5」の香りそのものを表現する残り香では、10カラットのセンタストーンと、それを取り巻くダイヤモンドのきらめきが美しいネックレスや、ルビー、ガーネット、イエローサファイア、ピンクとレッドのスピネルなどカラフルな宝石を散りばめたブレスレットなどがある。
移ろう香水の香りをジュエリーで表現
シャネルは、1921年に“女性のための香り”として「No5」を誕生させ、32年に新しいジュエリーの着け方を提案するハイジュエリーを作り出した。彼女は、「香水をつけない女に未来はない」という名言を残している。ルゲローSDは、「香水とジュエリーは、女性の肌に直接触れるもの。また、これら2つの世界はシャネルの価値観を体現している」と語る。このコレクションを制作するにあたり、ルゲローSDは、「シャネル」の専属調香師であるオリヴィエ・ボルジュ(Olivier Polge)とともに、ジャスミンやバラが咲くフランス・グラースを訪れたそうだ。「表面的でなく、『No5』の魅力やミステリーを解釈した上でどのようにストーリーを伝えるか考え、ジュエリーでありながらも、移ろう香水の香りを表現したいと思った」とルゲローSD。彼は、香水のアイコンをデザインに落とし込むにあたり、ボトルを視覚的に使い香水のイメージに近づけていったそうだ。目に見えるものを見えないものに転換する、触れることができない残り香を表現するのが大きな課題だったという。
123点という点数に関しては、「インスピレーションである香水が持つ豊かで多彩な側面を表現したに過ぎない。『No5』の香りのように、肌に付けたときに、より生き生きと見えるようなジュエリーを作ったつもりだ。今まで手掛けてきたコレクションの中で、最もパーソナルで親密なもの。『シャネル』の持つサヴォアフェールの全てが注ぎ込まれている」とコメントしている。