三井物産は、米国でメード・イン・ジャパンのスキンケアブランドを販売するECプラットフォーム「シコウビューティ(SHIKO BEAUTY)」を2月に立ち上げた。3月末時点で6ブランド30SKUを販売する。今後も順次ブランド数や商品数を増やしていくほか、ブランドやパートナー企業(日本のODM企業)と米国向け商品の共同開発や開発支援も行う予定だ。
米国三井物産(本社ニューヨーク)がECサイトを運営する100%子会社Shiko Beautyを設立し、米国進出のハードルとなる物流面や現地対応などのサポートを行う。現在は、「インマスクサロン(INMASK SALON)」「イシイクリニックビューティラボ(ISHII CLINIC BEAUTY LABO)」「ララヴィ(LALA VIE)」「清楚Jビューティ(SEISO JBEAUTY)」「フィンギー(THE FINGGY)」「和流(WAREW)」のブランドを扱う。サイト名のSHIKOとは“至高”を指し、ここではスキンケアの販売に加えて、日本の化粧品の良さや特徴、さらには日本の文化や伝統についても発信する。
米国の化粧品市場は約9兆円の巨大市場(グローバル市場は約50兆円)で、高価格帯化粧品のシェアが高く今後も安定的な成長が見込める。またコロナ禍で消費者の安全意識が高まり、天然素材を使用した日本のスキンケア需要が期待できる。2016年ごろから韓国コスメ(Kビューティ)ブームが起こったため、関連して日本のスキンケア(Jビューティ)もメディアやインフルエンサーに取り上げられる機会が増えている。
米国三井物産担当者は、「米国でJビューティは注目されている一方、規模の小さいブランドはリソースの問題や、マーケティング、レギュレーション対応などが難しく成功しているブランドは限定的。こういった課題を解決するために『シコウビューティ』を立ち上げた。狙いは日本の高品質で差別化できるブランドの米国進出を促すこと。また、プラットフォームで消費者とダイレクトな接点を持つことで得られた消費者インサイトを戦略領域であるビューティパーソナルケア分野で活用し、同領域の需要価値を最大化していく。中長期的にはパートナー企業と組んで米国向けの戦略商品開発や支援を行なっていきたい。さらには、米国のD2Cビジネスモデルを立ち上げることで得た知見を、化粧品だけではなくウェルネスなど周辺領域にモデル展開する足掛かりにもしていく」と話す。