サンフランシスコ発のスタートアップのオールバーズ(ALLBIRDS)はこのほど、専門家と共同開発したカーボンフットプリント(CO2e・温室効果ガス)を算出できるライフサイクルアセスメント(LCA)ツール(英語版)を自社ウェブサイトで公開した。LCAは、商品やサービスの原料調達から廃棄、リサイクルまでのライフサイクル全体を通しての環境負荷を定量的に算定する手法で、近年、非常に重視されるようになっている。
同社は気候変動を最重要課題ととらえ、“カーボンニュートラル”を目指すと宣言。2020年4月から、製造過程から廃棄までに排出されるカーボンフットプリントを全てのアイテムに表示している。「測ることは減らすことにつながり、気候変動を逆転させる大きな一歩になる」という信念がある。
また、4月27日に開いたオンラインミーティングで、2025年までにウールの調達を環境再生型の農場から行うと発表した。環境再生型農業は土壌を修復・改善しながら自然環境の回復を目指す農法。土壌が健全化することで、温暖化の原因である炭素を土壌に閉じ込めることができるため、気候変動や生物多様性の損失に対しての有効的な方法の一つとして注目を集めている。ウールに着目した理由をハナ・カジムラ(Hana Kajimura)=サステナビリティ・マネジャーは「『オールバーズで調達する素材の20%がウールで、CO2排出量は全体の80%を占める。ウールの調達は優先事項だと考えた』と話した。
オールバーズがすでにオープンソース化した植物由来素材で作ったカーボンネガティブなEVAソール「スウィートフォーム(SweetFoam)」は、「ティンバーランド(TIMBERLAND)」や「アグ(UGG)」が用いており、今回のLCAツールが業界にどれだけ浸透するかも注目だ。