「コレで十分」から「コレが良い」が最強説
「ザラ」のコスメラインには、「+J」によく似た感情を覚えました。「うわぁ!スゴい」という興奮と、「他のブランドは、どうなっちゃうの!?」という恐ろしさ、アンビバレントな気持ちが交錯した不思議な感覚です。
>「ザラ」からコスメラインが5月13日に発売 130色以上が登場、価格は1190〜3590円
1190~3590円という価格帯に、イマドキなクリーンビューティ、世界的メイクアップアーティストのダイアン・ケンダルによる監修、インテリアとしても成立しそうなパッケージなど、いずれも売れそうな“ツボ”ばかり。欠点が見つからないのも「+J」に通じるところです。日本での発売は、5月13日。少し想像してみましょう……。まずはビジュアルに刺激を受けた人たちが、エッジの効いたアイシャドウやネイルを購入。その次は、ちょっぴりコンサバな人たちがチークに挑戦、ってカンジでしょうか?店頭での見せ方次第ですが、男性も比較的手を出しやすい見た目&プライスですね。記事にある通り、これにベースメイクとマスカラが加われば、「コレで十分」ではなく、「コレが良い」と思わせるコスメラインが完成しそうな気配です。
同じく「コレで十分」ではなく、「コレが良い」と思わせるコスメラインは、コンビニでも見つかります。ファミリーマート専売のコスメブランド「ソポ」です。SNSでは当初、「コンビニコスメをナメてた」とか「クッションファンデが1815円!?」なんて「コレで十分」的なコメントも多かったのですが、次第に「カラーマスカラは、値段もサイズも『ソポ』」など「コレが良い」的なコメントが増加。まだまだ大きくなりそうな気配です。余談ですがファミマは、ファッションでも「ファセッタズム」の落合さん監修ラインを販売していますね。ファミマカラーのソックスなどでも、「コレで十分」ではなく、「コレが良い」というリアクションが散見されています。
最近、地元にある行きつけのヘアサロンでは、都心店に通っていたお客さまが増えたそうです。もちろん主因はコロナですが、彼女たちはいくらコロナの影響とは言え、そして都心から横浜の住宅街のサロンに出戻ったとは言え、ビューティに妥協はしないそう。「青山ではやってもらってましたけど、ココじゃダメなの?」なんて言われないように、逆に「青山と同じことが、ココでもできるのね!」と言ってもらえるように、こと若い世代の育成に一生懸命です。それも「+J」と同じですねぇ。自宅から徒歩圏内のショッピングモールでさえ、「安かろう、悪かろう」よりは全然マシな「安かろう、普通かろう」くらいの商品ではもはや心は動かされず、「『+J』で買っちゃお」と思ったことは、何回あるでしょう?結果、私のクローゼットには、「+J」のシャツが7着もあるのです(GW期間中の大掃除で発覚しました。買いすぎです!!)。
「コレで十分」から「コレが良い」になれたら、多分最強。「無印良品」のカレーシリーズとかも、同じカンジがしませんか?
FROM OUR INDUSTRY:ファッションとビューティ、関連する業界の注目トピックスをお届けする総合・包括的ニュースレターです。「WWDJAPAN Digital」が配信する記事から、特にプロが読むべき、最新ニュースや示唆に富むコラムなどをご紹介します。エディターズレターとは?
「WWDJAPAN」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在8種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。