専門店チェーン、セレクトショップの2021年4月度売上高(既存店ベース)は、2019年4月との比較で「20%前後の落ち込み」という声が多く上がった。コロナ禍でほぼ1カ月間休業していた店舗が多かった20年4月との対比では、売り上げが2倍前後という声が目立つ。引き続き、足元商圏に強い業態の堅調が目立った。
「ファッションセンターしまむら」の売上高は、19年4月との対比で4.3%増。気温上昇に伴い、初夏物・夏物の衣料や肌着が売れた。「一度離れてしまっていたお客さまが、コロナ禍をきっかけに再度リピーターになっているという声が店頭からはあがっている」と広報担当者。「実需に合わせた商品構成など品揃えの改善に長らく取り組んできたことで、(再来店した客の)定着につながっている」と見る。ただし、計測期間が3月21日〜4月20日のため、コロナ禍の状況がより悪化した月末を含む他社に比べると数字がやや上振れしている可能性はある。
「ユニクロ(UNIQLO)」(4月1〜30日)の売上高は、19年4月に対し「2割弱の落ち込み」(広報担当者)。4都府県で25日以降緊急事態宣言が発令されたこともあり、「お客さまの外出が減り、月後半はなかなか売り上げが伸びなかった。5月以降も都心の人出は少なく、足元商圏で集客できる店に人が集まるといった状況が続いており、地域差が大きい」。
アダストリア(同)の売上高は19年4月比で20.2%減。「上旬は気温も高くいい滑り出しだったが、中旬以降、コロナ禍の再拡大で客足が鈍った。ただし、緊急事態宣言が出た都内でも営業を続けている路面店や、東京と近接する神奈川の川崎、武蔵小杉、千葉の船橋などの店舗の売り上げは悪くはない、消費ムード自体が大きく減退しているという印象ではない」と広報担当者。
ユナイテッドアローズ(同)は19年4月に対し27.3%減。「無印良品」(同)は20年4月に対し41.3%増、19年4月比は非公表。