高島屋の都内4店舗(日本橋高島屋S.C.、タカシマヤタイムズスクエア、玉川高島屋S・C、立川高島屋S.C.)は12日、特選、衣料品などの大部分の売り場を再開した。同社は東京都からの休業要請に従い、4月25から食料品と化粧品、一部の婦人雑貨以外の売り場を休業していた。緊急事態宣言の延長で休業要請は継続しているものの、主要百貨店では他に先んじて営業範囲を拡大した。
開店時刻の10時半。日本橋高島屋S.C.本館では、入り口に並んでいた30人ほどの客がぞろぞろと店内に入り始めた。平日の再開にも関わらず、化粧品や婦人雑貨、一部特選ブランドを取り扱う1階では、間もなく待機列ができた売り場もあった。スタッフは客同士に適切な間隔を取るよう促し、入店人数が限られる中、ゆっくりと店内に誘導していく。
飯塚武志店長は売り場の再開について「生活必需品の範疇であり、お客さまの要望に応じたもの」と強調するが、。フロアにより客入りはまちまちだ。上層の衣料品フロアはがらんとしており、宝飾品や美術品など、照明が落ちて休業中の売り場も点在する。5階ランドセル売り場には、さっそく購入相談カウンターに座る客もいた。同ランドセル売り場は現在、完全予約制で運営。平時であれば大型連休に販売のピークを迎えるが、今年は連休中を休業したため、「現在も問い合わせが続いている」(同社広報)という。小学1年生の母親の女性は、「売り切れてしまうかもと、あわてて来た」と話した。
開店から30分がたち、すでに買い物袋を提げた客の姿も。日本橋に住む50代の女性は、同店の食料品フロアを日常的に利用し、時間があるときは特選フロアや衣料品フロアも見て回るという。手に提げた大きな買い物袋の中身は、高級ブランドのバッグだ。「久しぶりにお気に入りの店で買い物ができてうれしい。ずっと品薄で、欲しかったバッグだった」と満足した様子。「百貨店は心の潤い。いつも開いているとうれしい」。