ゴールドウインの2021年3月期連結業績は、純利益が107億円となった。コロナによって昨年春には直営店の大半が臨時休業したが、秋以降の盛り返しで過去最高益だった20年3月期とほぼ同額の利益を確保した。「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」を中心にしたアウトドア事業が引き続き牽引する。14日に会見した渡辺貴生社長は「(新常態によって)アウトドアウエアを仕事や遊びの場面で隔てなく着る人が増えている」と手応えを強調する。
売上高は前期比7.6%減の904億円、営業利益は同15.1%減の148億円だった。売上高の8割以上を占めるアウトドア事業は直営店が臨時休業になった4〜6月期こそ大幅減収だったものの、防寒衣料の実売期で売り上げが最大になる10〜12月期に14%の増収を達成。通期でアウトドア事業は0.7%の微増収まで持ち直した。直営店、スポーツ専門店、ECなどのバランスのとれた販売構成によって、期末在庫も前期並の水準を維持した。
22年3月期の予想は、売上高が前期比10.5%増の1000億円、営業利益が同5.7%減の140億円、純利益が同4.0%減の103億円。アウトドア事業の成長を見込んで、売上高を初の1000億円台に乗せる。基幹システムやマーケティングなどへの先行投資を行うため、利益は減益を見込む。