三越伊勢丹は、15日から休業要請対象となっている都内4店舗(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹立川店)の営業範囲を拡大する。面積の大部分を占める衣料品フロアの営業を再開する。
4月25日以降、両本店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店)は食品や化粧品などを除き大半を休業している。同社は5月末まで休業すれば、290億円の売上高が消失すると試算していた。休業の長期化による経営へのダメージに加えて「季節の移り変わりによって生活必需品の内容が変化してきた」(三越伊勢丹広報)との判断で衣料品フロアのほか、「贈り物需要の高まりや修理の依頼などが多い」時計の売り場も再開する。今回の見直しにより、各店の営業範囲は「売り場面積の半分を大きく超えることになる」。特選、美術・宝飾の売り場は休業を継続する。
毎日新聞の報道によると、東京都の小池百合子都知事は14日の定例記者会見で、百貨店などの商業施設が生活必需品の範囲を見直し、営業を再開する売り場を広げる動きが出ていることについて「高級衣料品などは生活必需品には当たらないと国が明確に通知している」と述べ、休業措置強化の可能性を示唆した。
三越伊勢丹はこれを受け、「(週明けの)17日以降に再度営業範囲の見直しを検討する」(同社広報)としている。「どこまでが『高級衣料』かは線引きが難しい。(知事の発言を)真摯に受け止め、お客さまの要望とのバランスを取りつつ、取引先と議論しながら営業するかしないか判断をしていく」。