デサントが2021〜23年度の中期経営計画を発表した。国内は21年3月期で470億円だった売上高はそのままに、直営とECで構成する自主流通“DTC事業”の割合を半分まで引き上げて利益拡大を図る。好調な中国は主力の「デサント」を中心に売上高500億円まで成長させる目標だ。
国内はこれまで、在庫量や販管費を増やして売上拡大を狙ってきたが、過去5年で横ばいが続いていた。「売り上げよりも利益を優先するべき」(小関秀一社長)と判断し、スポーツ専門店などへの卸売りに偏った販路構成を見直す。まずは主力「デサント」の直営店を積極出店する。
新カテゴリーとして、競技シーンに限定しない“動くためのウエア”として「ムーブウエア(MoveWear)」というコンセプトを広める。野球やサッカー、スキーなど幅広い競技で培った技術力と、自社工場など強みである研究開発力を生かして、ニーズに刺さる物作りを強化する。徹底した生産量コントロールによる返品・値引きの抑制、在庫・販管費のさらなる削減にも着手する。
コロナ禍でも21年3月期に前期比約16%増の売上高333億円を記録した中国は、「スポーティかつ普段着としても使えるカテゴリーが空白で、そこにハマった」と小関社長は分析。すでに170の直営店を持つ「デサント」をメインにさらなる成長を図り、ベーシックなライフウエアを扱う「デサント ブラン」も本格的に提案していく。