高級素材として知られる海島綿(シーアイランドコットン)を展開する西印度諸島海島綿協会(八木原保理事長)は、協同組合から一般社団法人に組織変更し、7月から新体制での活動を始める。製品を作りたい企業に門戸を広げることで海島綿の普及につなげる。
海島綿はカリブ海の西インド諸島で栽培される綿の品種。超長綿の中でも最も繊維が長く、しなやかなで光沢ある風合いの高級素材として英国をはじめとした欧州で珍重されてきた。長く英国の紡績会社が独占してきたが、1976年に日本への輸出が始まり、79年に協同組合になった海島綿協会が独占買い付けを行い、組合員のアパレルなどが製品化してきた。90年代までは日本の海島綿協会が海島綿のほぼ全量を買い付けていたが、2000年以降は欧州の買い付けが拡大。現時点では日本が6割、欧州が4割のシェアになっている。
日本においては海島綿協会の組合員の企業に取り扱いを限定することで、品質とブランドを管理してきた。だが高額な年会費や入会規約も壁になって新規の企業が集まらなくなっていた。結果としてマーケティングの幅は狭まり、販路も広がらず、認知が広がらない問題が浮上していた。
13日に会見した八木原理事長(ジム社長)は「ハードルを下げることで理解ある仲間を募り、海島綿の素晴らしさを広めていきたい」と話した。一般社団法人として認知のための広報活動とトレーサビリティー(追跡可能性)の管理に力を入れていく。