言ってるアナタが「気持ちいい」はダメ
週明け早々に来週号のお話で恐縮ですが、5月31日発売の「WWDJAPAN」は、サステナブルビューティ特集です。
コレは、「WWDビューティ」の恒例企画だったオーガニック&ナチュラルコスメ特集の進化系。編集、そして営業担当は4カ月前くらいからディスカッションを重ね、「オーガニックやナチュラルコスメには分類されないかもしれないけれど、ダイバーシティーや貧困問題に向き合っているブランドは多いよね。今は、ほとんどのブランドが地球や業界の持続可能性、つまりサステナブルに貢献しようとしているんだから、『サステナブルビューティ』と総称しよう。特集を通して、地球のため、業界のためにはいろんな選択肢があることを紹介できたらいいね」という合意に達しました。
そんな思いをコンテンツにブレイクダウンしてくれた特集担当者へのリクエストは、たった1つです。「サステナブルが、“自分ごと化”できるように表現したい」。常々お話ししていますが、正論では、人の心は動きません。そこで環境問題への関心が高いKOLの長谷川ミラちゃんにアプローチ。一緒に取材を重ね、それらを踏まえた彼女の意見を、ミラちゃんのシューティング写真とともに掲載予定です。ミラちゃんを通じて、正論とは違う、“自分ごと化”の一例が紹介できればと思います。興味・関心が高かったり、共感してくれたりの人々を巻き込むのは、正論だけになりがちな一方的な発信を軌道修正する手段になりそうな気がしませんか?
ミラちゃんと一緒ではありませんでしたが、私の担当は「ニールズヤード レメディーズ」でした。取材した梶原社長は、「エコロジカルブランドがやってはいけないのは、伝える側が『これはダメ』『あれはダメ』と否定しないこと。『私は、あなたが知らないことを知っている』は、言っている本人は気持ちいいかもしれないが、相手の心を閉ざしてしまう」と教えてくれました。まさにそれ!私たちメディアも一緒です。取材を通して学んだ「あなたが知らないこと」の伝え方・届け方について、大事なヒントをいただきました。
特集は2つの座談会からスタート。そのあと、ミラちゃんと“それぞれのサステナブルビューティ”を学ぶ構成になるでしょう。ビューティのみならず、ファッションから食まで、多様な意見を通し、共に考えるスタンスを発信しようと試みている私たちの方向性は正しいんだな、と自信が持てました。
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