「WWDJAPAN」5月17日号は「複業を解禁せよ! 多様な働き方」特集。本業(正社員)を続けながら行うサイドジョブを「副業」と呼ぶのに対し、「複業」は自分の能力を生かしてマルチに働くことを指す。特集ではファッション&ビューティ業界でマルチに働く”複業人”を取材。これからの時代、ますます注目されるであろう複業にクローズアップした。
ゴールドウインには副業制度を活用して、ヨガインストラクターなどのスポーツ関連の仕事に従事しているスタッフが数多くいる。その中で異才を放っているのが「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」のプレスとして働き、YouTube番組「くるみらTV」の衣装や美術セットを手掛ける、谷本茉莉さんだ。日中はプレス、夜はスタイリストの二足のわらじを履いている。副業を開始して「人生がより豊かになった」と話す谷本さんに副業のやりがいや、大変に感じていることなど実情を聞いた。
―ゴールドウイン入社のきっかけと、本業での業務を教えてください。
谷本茉莉「ザ・ノース・フェイス」プレス(以下、谷本):ゴールドウインの人事に知り合いがいて、プレスルームのアルバイト募集で声をかけてもらったのがきっかけです。もともと服飾専門学校に通った後、「インレッド(INRED)」や「装苑」などでスタイリングを手掛ける林嘉代さんのアシスタントを経験したので、何か力になれると思いました。2018年にアルバイトとして入社し、「ザ・ノース・フェイス」のプレス部署に配属。20年8月からは契約社員として、同部署で商品販促や広報活動、リース対応などの業務に携わっています。
―副業で番組スタッフとして携わる「くるみらTV」とは?
谷本:「ダウンタウンDX」「M-1グランプリ」などを手掛ける放送作家の倉本美津留さんが指揮を執るYouTube番組です。メインコンテンツは「YouTube大喜利」で、視聴者からのお題に答えていく、台本のないエンターテインメント。出演者は「ファイナルファンタジーXII」のヒロイン、パンネロ役の声優を務める小澤真利奈さんや、“ディズニー大好き芸人”のうえだのまさゆきさん、元NHKアナウンサーで現在はフリーで活躍中の住吉美紀さんらで、とても豪華です。動画編集も、AKB48や安室奈美恵さんのジャケットなどを撮影するフォトグラファー、ほりたよしかさんが手掛けています。
―「くるみらTV」に携わったきっかけは?
谷本:20年4月5日にスタートした「くるみらTV」の衣装や美術を手伝ってほしいと、知り合いの方に声をかけてもらいました。引き受けた1番の理由は「勉強になる」と思ったからですが、昨春の1度目の緊急事態宣言中は2、3日家にこもっていただけで、尋常じゃない閉塞感を感じ、このまま誰とも交流しない日常は想像ができませんでした。だったら新たな分野に挑戦してみたいと、興味が湧きました。
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