阿部千登勢による「サカイ(SACAI)」は世界的に有名な東京の名所である渋谷スクランブル交差点を舞台にした、2021-22年秋冬のウィメンズ・コレクションを発表した。
映像はヘリコプターから「サカイ」のショッパーが降ろされ、赤いコートをまとったモデルが深夜の渋谷スクランブル交差点に降り立つシーンからスタート。次々にモデルたちがヘリから降りて、横断歩道をランウエイにして闊歩する。実はこれはCGで、渋谷のスクランブル交差点の映像と別スタジオで撮影したウォーキング映像を合成したもの。動画で発表した2021年春夏メンズ&21年ウィメンズのプレ・スプリングに引き続き、大手電気通信会社のKDDIが特別協力した。
クチュールから着想した
縦に長いナローシルエット
コロナ禍でこの1年間を東京で過ごした阿部デザイナーは、おうち時間などのリラックスしたスタイルから、少しずつ華やかな装いへと変化する環境を経て、“クチュールのようなエレガンス”をこのコレクションで表現したという。今季は得意とするハイブリッドのテクニックで、縦に長いナローシルエットを生み出した。特徴的なのはタイトなボディーに、ボリュームのあるショルダーを合わせたトップスや、タイトスカートとワイドパンツをドッキングさせたボトムスなど。ベルトを高い位置に合わせることで、縦長のシルエットを強調している。色はミリタリーの要素のあるネイビーやカーキ、ベージュ、ブラックなどのベーシックカラーに、赤、青、黄色でアクセントを効かせた。
また“One Kind Word”のロゴを入れたTシャツは、米アーティストで、グラフィティ界の巨匠として知られるエリック・ヘイズ(Eric Haze)との初のコラボレーションによるもの。友情や愛、温かさなどの、ポジティブなメッセージを込めて、ヘイズが「サカイ」のために描き下ろした。映像やルックには登場しないが、コラボでは“One Kind Word”のロゴのほかに“Feel It”のロゴもあり、ユニセックスで着用可能なTシャツやパーカにあしらっている。