ロート製薬は、副業を認める「社外チャレンジワーク制度」と社内の2つの部署を兼務する「社内ダブルジョブ制度」を定めた。困難にもめげず常識の枠を超えてチャレンジし続ける」という思いを込めたスローガン「NEVER SAY NEVER」を16年に制定し、その一つとして会社や部門という枠組みを超えた新しい働き方への挑戦を進めている。既存の事業に加えて、“健康寿命へのチャレンジ”として、農業や再生医療、食などに事業領域を拡大しているロート製薬は創業120周年を迎えた老舗企業ながら、柔軟に社員の意見を取り入れながら改革を進めている。(この記事はWWDジャパン2021年5月17日号からの抜粋に加筆しています)
年月をかけて
自由な働き方への風土を醸成
ロート製薬人事総務部の佐藤智紀リーダーは、副業制度がスタートする以前から自由な働き方への風土は醸成されていたという。昔から男女平等と風通しのよい組織を目指す改革を進め、2000年には個人の自主性の尊重をコンセプトにした新人事制度を導入。挙手制の昇格チャレンジ制度も設定した。03年には「ARK(“明日のロートを考える”の頭文字から命名)プロジェクト」と称して、社員主導で会社全体の文化的な面をボトムアップで改革。ARKプロジェクトは05年、14年にも継続され、16年の「社外チャレンジワーク制度」につながった。
14年当初は“働き方改革”というキーワードを耳にする前のころ。佐藤リーダーは「ロート製薬が目指す人事制度改革とは効率化や生産性ではなく、社員一人ひとりの成長。会社の理念として“人がいて輝いてこそ会社が生きる。主役は人である”という考え方があります。一人ひとりの個人がどのように成長したら素敵かが重要。成長という意味では、ロートの仕事だけをするよりも、外部の仕事を二刀流でやったら倍量倍速で成長できるのではというシンプルな考え方で、個々人の働き方を変えようという発想に至りました」と話す。
社外チャレンジワーク制度で
人脈が圧倒的に広がる
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