K-POPスターが韓国やアジア市場のみならず、世界のヒットチャートを賑わせるようになって久しい。優れた楽曲や高いパフォーマンス力で知られる彼らの魅力にハマっているのは、音楽やアイドルのファンだけではない。最近では多くのラグジュアリーブランドも彼らに熱いラブコールを送っており、もはや争奪戦の様相を呈している。
「ティファニー(TIFFANY & CO.)」は4月21日、ブラックピンク(BLACKPINK)のロゼ(ROSE)をグローバルアンバサダーに起用。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は4月23日、BTS(防弾少年団)がアンバサダーに就任したことを発表した。その際、同ブランドはBTSについて、「世界で最も名声と影響力を持つグループの一つ」だと紹介している。
威力を増した第二次K-POP旋風
かつてビッグバン(BIGBANG)や2NE1も隆盛を極めたが、今回は単なるアンバサダーに留まらない。「グッチ(GUCCI)」は2019年にEXOのカイ(KAI)をアンバサダーに起用しているが、それに加えて21年2月にはコラボコレクションを発表。アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターは、大のテディベア好きのカイにインスピレーションを得て、ブルーのボウタイを着けたテディベアを描いたメンズとウィメンズのウエアとアクセサリーをデザインした。また「ディオール(DIOR)」は、21年3月にグローバルアンバサダーに就任したブラックピンクのジス(JISOO)を着想源としたコレクションを発表。影響がクリエイションにまで及んでいる。
韓国のアイドルやアーティストは、日本や中国を含むアジア地域に加えて、今や米国や欧州でも大人気だ。BTSを例に挙げると、20年11月には米国の権威ある音楽チャート、ビルボード(Billboard)のシングルチャートで「Life Goes On」が初登場1位を獲得。主に英語以外の言語(この場合は韓国語)で歌われた楽曲が、同チャートで発売初週に1位となったのはこれが初めてのことだという。また21年3月に開催された米音楽界最高峰の音楽賞「グラミー賞(Grammy Awards)」では、韓国のアーティストとして初めてノミネートされている。
こうしたK-POPスターの特徴の一つとして、熱狂的なファンベースを持っていることが挙げられる。さまざまなブランドが彼らとの協業を望むのも、それが大きな理由だ。
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