毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年5月31日号からの抜粋です)
牧田:毎年恒例のナチュラル&オーガニック特集は「WWDビューティ」が先駆け的存在で、創刊からの目玉でしたが、15年近くたって、世の中にもカテゴリーとして浸透して、私たちの役割もある程度果たせたのではないかと感じていました。一方で、サステナビリティ推進の機運は業界だけでなく、社内でも高まっています。そこで今回はビューティ企業のサステナビリティへの取り組みを幅広く特集しました。
新関:実は私自身、サステナビリティについて消化できていませんでした……。私のような読者や、より幅広い層にどうサステナビリティを伝えるかと考えた時に、長谷川ミラちゃんが浮かんで。今回4社の取材に同行してもらいました。
新関:それが彼女の魅力ですが、必ずしも賛同の声ばかりではないらしいです。それでも「自分が犠牲になってもより良い環境になってほしい」というのが言動に表れていて、「見習いたい」と思いました。「押し付けたくはない。難しくしたくない」という意志も明確で、私もようやくサステナビリティについて腑に落ちたというか。
牧田:押し付けや難しさを感じさせないことは大事だけど、記者としては熱く濃く書きたいという欲求もあり、難しかったね。読者に拒絶反応を起こさせないように、でも深く報じるっていう。
新関:私もそこのバランスの難しさをすごく感じました。“正解”ってないんじゃないかなと思うので、これからも探り続けていきたいです。
牧田:私はサステナブルグリル「ザ・バーン(THE BURN)シェフの米澤文雄さんの「不便に立ち戻った方がいいんじゃないか」という言葉に共感しました。なんでも便利さをお金で手に入れているけれど、自分の時間と労力を費やせば自然環境に優しい行動になるということに「もっともだな」と思いました。矛盾は当然生まれるものだと思うので、自分が良いと思うことを実践していきたいと思います。