今さら聞けない5Sと、リードタイム短縮の因果関係
先日、「WWDJAPAN」の連載でもおなじみ(現在は、弊社主催のビジネスセミナーの真っ最中でもあります!)な在庫最適化コンサルタントの齊藤孝浩ディマンドワークス代表と、同じく、過剰在庫に繋がる大量生産・大量廃棄の罪を説く岸良裕司ゴールドラット・ジャパン最高経営責任者(CEO)の3人で、OEMとオリジナルブランド「イキジ」を手がける両国のアパレルメーカー、精巧を訪ねました。昨年、私が岸良CEOから教えていただいたトヨタ式生産方式、「欲しいものを、欲しい時に、欲しいだけ」作るを実践しているメーカーと齊藤代表から伺ったからです。そのお話は、今月中にまとめようと思います。
そこで、今さらながら「5S」という言葉を伺いました。ファッション&ビューティ業界のみなさん、特に店舗に携わる皆さんには、「ムラカミ、なんで知らないの!?」と言われそうですが(ヒェ~、ごめんなさい!!)、整理→整頓→清掃→清潔→しつけ(→そして、また整理)と循環する職場環境の維持・改善のために用いられるスローガンです。
生産のリードタイムを筆頭にムダな時間を極力省き、生産や思考の時間を確保しようとする精巧の5Sは、徹底的でした。例えばキャビネットの上には……、な~んにもありません。キャビネットは、モノを中に収納するモノ。モノを上に置くのは、「整理」できていない証拠なのです。セロハンテープは、テーブルの上にテープを貼って「ココに置くんです!!」と明示してあります。「あれ~、セロテープ、どこだっけ?」という時間を削減するためでしょう。
比して私の机は、どうでしょう(苦笑)。いや、我ながら、整っている方だとは思うんですよ。コチラのYouTubeの2:00あたりをご覧いただければと思うのですが、マシな方でしょう(笑。ちなみに、後ろのハンガーラックも私の洋服です。コレも、まぁまぁ整理されていますよねw?)?紙の資料は、かなり躊躇なくリサイクルします。メールも、受信メールは半年、送信メールは2カ月で削除です。かつては同僚が資料らしきモノを仕舞い込んで以降5年は未開封だったに違いない段ボールを、毎月1ケースごとコッソリ1年間捨て続けたこともあります(時効だと思うので、告白しますw)。でも精巧のオフィスを見て、「もっとできる!」と思ったのですw。都市伝説に近いウワサ話では、「シャネル」も5Sを意識していると聞いたことがあります。机の脇に堆積する書類が数cmを越えると、「この状態は、『シャネル』にふさわしいの?」と諭し合い、考え合うムードがあるそうです。ウソかマコトかは定かではありませんが、「さすが!」と感心した記憶が残っています。プロフェッショナリズムと5Sには、因果関係があるのでしょう。
>ファッション業界人辞典Vol.2 村上要「WWDJAPAN」編集長の1日に密着
と、改めて身の回りをキレイにしようと思ったワケですが、精巧が実践する「リードタイム削減の第一歩としての5S」もしくは「リードタイム削減に繋がる5S」という思考は、なかなか面白いアイデアです。確かに、工場でやたらと途中段階の商品が堆積している箇所は、リードタイム短縮のためのボトルネックなのかもしれません。その堆積を減らす5Sを考えることは、リードタイム短縮を模索することに繋がりそうです。
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