東京都や大阪府の休業要請緩和を受け、主要百貨店各社(三越伊勢丹、高島屋、大丸松坂屋百貨店、そごう・西武、阪急阪神百貨店)は6月1日、両地域における店舗の平日の全館営業を再開した。三越伊勢丹の伊勢丹新宿本店の再開初日の売り上げは、昨年の同曜日(6月2日)との比較で2ケタ増となった。「緊急事態宣言の継続もあり開店前の並び列は平時より短かったものの、ようやく再開できた宝飾売り場などがけん引した」(同社広報)。
同日には各社が2021年5月度売上速報を発表した。19年同月と比較して、3〜7割の減収だった。昨年は「緊急事態宣言」により月を通して全国的な店舗休業となったため、比較対象としていない。
各社の19年5月と比較した業績は、三越伊勢丹が約5割減、高島屋が42.9%減、大丸松坂屋百貨店が54%減、そごう・西武が約3割減、阪急阪神百貨店が70%減だった。大阪は東京よりも厳しい休業要請が敷かれたことで、関西を主な商圏とする2社(大丸松坂屋百貨店、阪急阪神百貨店)の減収幅が大きくなった。阪急うめだ本店は19年比で83%の減収だった。
東京では5月中旬から各社が“生活必需品”の範囲の見直しとともに衣料品フロアなどを再開したが、目立った集客効果にはつながらなかった。高島屋は5月12日に衣料品などの売り場を他社に先立ち再開したが、「(衣料品は19年比で)6割減ほどの水準で推移している厳しい状況。すぐに客足を回復させることは難しく、中長期的な目線で売り場の魅力創出を図っていく」(高島屋広報)。同社は2日から各店の売り場で、循環型素材を使用した商品を販売・回収する取り組みをスタートする。