楽しんでいる人さえ、「ファッション業界はコワい」
「画一的な美しさ」からの脱却を応援すべく、クリエイティブ・アクティビストの辻愛沙子さん率いるブランド&企画クリエイター集団のarcaとの特集の制作に励んでいます。6月14日発売号の巻頭特集です!!スレンダーな八頭身の美しさを否定するつもりはありませんが、「美しさ」は個々人が自由に定義して良いもの。そして、その「美しさ」は他人に押し付けるべきではないもの。そんな価値観が広がる中、外見を彩る商品を生み出し、思いも含めて発信するファッション&ビューティ企業は、何をどう意識すべきなのか?そんなコトを辻さん、そして読者の皆さんと一緒に考えられれば、と思っています。
特集では、辻さんがいろんな方と対談します。今日のお相手は、日本ロリータ協会会長でもあるモデル&看護師(!!)の青木美沙子さん。対談を行った弊社にも、堂々のロリータファッションで登場です!目立つ~!
勝手にシンパシーを感じてしまった私は、どうしても対談に加わりたくなってしまい(だって、楽しそうなんだもん!!)、こらえきれず、青木さんに質問しちゃいました。「ファッション業界の、ロリータ・ファッションへの反応は?」です。すると青木さんは、「コワいです(笑)。ファッション業界は常に、品定めしているカンジがします」と言います。
やっぱり、そうなのですね……。同じファッション業界にいるのに、です。
辻さんと一緒に作る特集の前週、来週月曜日の7日発売号はeスポーツ特集です。ファッション&ビューティ業界も注目すべきeスポーツプレイヤーに迫っていますが、人気ストリーマー(YouTubeやTwitchでゲームをライブ配信するプレイヤーのことです)のはつめサンは、「『ゲーマーは、陰キャのオタクだけじゃないんだよ』と伝えても、一番信じてもらえなさそうなのがファッション業界の人たち(笑)」と話したそうです。特集を担当した記者によるインタビュー記事を読んだのは、青木さんへの取材の前日でした。はつめサン、そして青木さんの、“ファッションは遠い”“ファッションはコワい””ファッションは閉鎖的”という思いは、さすがに私「いよいよ、重く受け止めなくっちゃならないな」と思ったのです。
このお手紙でも何度かお話してきましたが、私たち、いよいよヤバいです。マジで。同じようにファッションを楽しんでいる人にさえ「コワい」と思われてしまったら、私たちのことは一体、誰が愛してくれるのでしょう?
思いはめぐり、「コレって、最近やたらとバッシングがキツいように思える“アパレルいじめ”の原因では?」とさえ考えるようになりました。一般的ないじめについて、私は「いじめられる側にも原因はある」なんて思いません。そんなの、いじめる側の勝手な解釈です。でも、私たちの場合は……!?
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