ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、BtoCとBtoBの双方で可能性が広がるフェムテックの話。
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フェムテック(FemTech)」という言葉やその取り組みは、2020年の後半くらいからマスメディアでも頻繁に目にするようになった。政治の世界でも「フェムテック新興議員連盟」が立ち上がり、規制緩和などの議論がスタート。「WWDJAPAN.com」でもさまざまなニュースを取り上げているが、今回は美容やファッション業界こそ注目すべき、この分野について背景も含め取り上げたい。
フェムテックとは、ひとことでいえばウィメンズヘルスケア分野のひとつでもあり、女性が抱える身体や心の課題をテクノロジーで解決するというFemale+Technologyからの造語だ。
私自身が仕事を通じてフェムテックという言葉を初めて目にしたのは、17年の終わりごろ。シリコンバレーで、女性という性がもつ課題、生理や妊娠、更年期にまつわる悩みなどをテクノロジーで解決するスタートアップに、VC(ベンチャーキャピタル)やファンドがこぞって投資し始めているという情報に「すごいことが起こっている」「女性たちの生き方の選択肢が大きく広がる」と胸が躍ったのを覚えている。例えば、米国の生理日管理アプリの「グロウ(Glow)」に、スペースXやエアビーアンドビーに出資するようなファンドが出資を決めたのは、人口の約半分の女性たちの課題が不便なまま放って置かれていたことと、そのビジネスポテンシャルに気づいたからだ。同時に女性たち自身も、羞恥心や我慢すべきという思い込みから解き放たれ、オープンに声をあげていいこと、解決法があることを心から歓迎し、フェムテック関連スタートアップは順調に顧客を増やしてきた。
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