能動的に受け身、ってナンダ!?
以前このお手紙で話したと思いますが、私は能動態至上主義。受動態ポリスです。「ビームスとネットフリックスのコラボが発売された」は、チェック×3!!!「ビームスとネットフリックスは、コラボを発売した」に修正します。理由は2つ。最初の理由は、受動態より文章の構造がシンプルで読みやすいから。2つ目の理由は、主語の意志がにじみ出ているから、です。あ、ちなみに「ビームスとネトフリのコラボ」を知りたい方は、こちらからどうぞ。
>ビームスとネットフリックスがコラボ 世界初の公式アイテム発売
加えて今は、意志を発信し、共感してもらうのが大事な時代。ますます主語の意志がにじみ出る「能動態の方が、いいに決まっている!!」って思っていたのです。
そんな中、「能動的に受け身」という、禅問答みたいなお話をしてくれる2人に出会いました。一人は、制作も佳境に入った来週号を監修してくれたアルカの辻愛沙子さん。そしてもう一人は、ビューティライターの長田杏奈さんです。
辻さんと一緒に、長田さんにも取材して作っている特集は「ルッキズム」、外見に基づく差別や偏見について考えています。見た目を彩るファッションやビューティ業界にとって、避けては通れない問題です。
とはいえ、コレが難しいのなんのって(笑)。例えば脱毛については、ほんの数年前までは「彼氏に嫌われないよう脱毛を」なんてニュアンスの広告があったと思いますが、今は完全NGですよね。「毛=嫌われる原因、が偏見ではないのか?」「なぜ『彼女に嫌われないように脱毛を』じゃないのか?」「なりたい自分を犠牲にしてまで、他者に嫌われないようにという考えを煽っているのでは?」などなど、突っ込みどころはたくさんです。ついついビビって発信をためらってしまいそうな時、辻さんは「『剃るも、剃らないも自由。でも脱毛したいなら、私たちは待っています』の感覚とコミュニケーションが必要です」と教えてくれました。「脱毛したいなら、お待ちしています」という受け身のスタンスを、能動的に発信すべし!と言うのです。
同様のスタンスを、長田さんはあるモンスターに例えて教えてくれました。ビューティライターから、まさか、あんなモンスターの名前が出てくるとは!!正解は、「WWDJAPAN」の6月14日号と、その前後にウェブアップする記事までナイショにしようと思います(笑)。ヒントは、そのモンスターは案外律儀らしく、家に入るときには必ず……。あ~、もうここまでです(笑)!!
いずれにせよ、「能動的に受け身」とは、目からウロコな考え方でした。
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