「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」や「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」を擁するPVHコープ(PVH CORP)は、組織全体でSDGsの取り組みを加速している。同社の“フォワードファッション(Forward Fashion)”戦略は、環境負荷をゼロに、社会面でのポジティブな影響を100%にし、バリューチェーン全体に携わる100万人以上の人々の生活改善を目指す。
中でも「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」は2020年、独自のサステナビリティ戦略「メイク イット ポッシブル(Make It Possible)」を公表。循環型ファッションへの転換とインクルーシビティー(包括性)に関する24の目標を掲げ、30年までに実現することを目指して取り組む。同社サステナビリティ担当に話を聞いた。
WWD:「メイク イット ポッシブル」プログラム立ち上げまでにはどれくらいの時間を要した?
エスター・バーバーグ=トミー ヒルフィガーグローバル&PVH ヨーロッパ・サステナブルビジネス&イノベーション・エグゼクティブ・ヴァイスプレジデント(以下、バーバーグ):世界中にいる100人以上の社員が、2年にわたって共同で作り上げた。親会社PVHコープの“フォワードファッション”戦略に基づき、“無駄をなくし、全てを受け入れる(Wastes Nothing and Welcomes All)”ファッションを創出するというビジョンを掲げ、循環型と包括性にフォーカスした。
WWD:思い描いている循環型ファッションのあり方とは?またそこに向けたロードマップを教えてほしい。
バーバーグ:2030年までに完全に循環でき、サステナブルなループに組み込まれる商品を提供したい。具体的には、全ての合成素材をリサイクル原料から作り、全ての天然素材を持続可能かつ再生可能な供給源から調達する。他にも、当社製品の中古品を回収し、補修もしくは再利用して再販売する循環型ビジネスモデル「トミー フォー ライフ(Tommy For Life)」を立ち上げた。やるべきことはたくさんあるし長い道程だが、真正面からチャレンジすることにワクワクしている。
WWD:社内教育にも力を入れている?
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