イタリアの高級車メーカー「フェラーリ(FERRARI)」は13日、本拠地のイタリア・マラネッロで初のランウエイショーを行い、約2年をかけて刷新を図ってきたファッションラインを披露した。メンズやウィメンズ、キッズのウエアやシューズを6つのカプセルコレクションとして構成し、第1弾は14日に発売する。その後は来年6月までの年間を通して、新たに開く直営店や公式オンラインストアで順次販売する。価格帯はアウター1500〜2000ユーロ(約20万〜26万円)、スニーカー600〜700ユーロ(8万〜9万円)、レザーグッズやアクセサリーは約1000ユーロ(約13万円)前後など。
ファッションラインは同社が推進する“ブランド多様化プロジェクト”の一環で、ニコラ・ボアリ(Nicola Boari)最高責任者の指揮の下に始動。19年11月には「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」で経験を積み、「パル ジレリ(PAL ZILERI)」のデザイナーを務めたロッコ・イアンノーネ(Rocco Iannone)が加わった。
ショーに登場した52ルックは“流動性(fluidity)”を掲げ、車のように性別に捉われない服作りを意識したという。カーデザインやモータースポーツに着想した快活なムードを軸に、テーラリングやストリートウエアの要素を盛り込んだスポーティーなスタイルだ。タフな機能素材やペットボトルから再生したサステナブル素材などテキスタイルにこだわりながら、ビビッドな色使いや大胆な素材の切り替え、「フェラーリ」のロゴを再解釈したグラフィックを連打し、ファッション界への本格進出を強いクリエイションでアピールした。ショーにはイタリアのマリアカルラ・ボスコーヌ(Maria Carla Boscone)や美佳、マリーエル・ウチダ(Maryel Uchida)らトップモデルが多数出演。4月に立ち上げたインスタグラムのファッションアカウントでライブ配信し、リアルタイム視聴数は常時450〜500だった。
今後はファッションに特化した店舗を世界に開く予定で、14日オープンのマラネッロを皮切りにミラノやローマ、ロサンゼルス、マイアミなど10前後の都市への出店を予定している。日本への出店は現段階で未定。