ファッション
連載 マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」

なぜオーガニックコットンを選ぶのか?【後編】 マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」 Vol.18

今週は、オーガニックコットンにまつわる現場の実態について話したい。

「パスカル マリエ デマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS)」の取り組みを通じて出合ったNPO団体ACEによって、私たちは綿花畑の児童労働問題を知った。

日本で暮らしていると、児童労働と聞いてもなかなか実感が湧かないかもしれないが、私たちが普段何気なく着ているコットン素材の服が、児童労働に加担し、そこで働く人々に健康を脅かしている可能性があることをを私たちは知るべきだ。

農薬を使う綿花農家では、大人たちが綿花畑に農薬を撒いた後、子どもたちが素手で綿花の雌しべに雄しべから最終した花粉を受粉させる作業を行う場所もある。そして、子どもたちは農薬のついた手でつい顔を触わったり、食べ物を口にしたりすることで、健康被害も起きている。

綿花畑で働いている子どもには7〜15歳の子どもも多いと言われ、彼らは学校にも通えず、受粉や収穫作業などに長時間従事する。なのに賃金は、1日70〜80円程度というケースも多い。政治による解決には至っていない。

オーガニックコットンを支援・着用することは、こういったさまざまな問題を解決し、未来を変える手立てとなる。

コットンの生産に適さないと言われる日本で暮らし、輸入に頼っている私たちが、彼らのためにできることは何か——支援団体への寄付や、ブランドが素材をオーガニックコットンに切り替えることもそうだが、何よりまず、オーガニックコットンを選ぶ消費者が増えること。それが、企業が消費者のニーズに気づき、変わるきっかけにつながる。

次に買い物をするときこの話を思い出してくれる人が増えたら、世界はちょっとだけ変わるかもしれない。

そんな願いをこの記事に込めて——


NEW SHOP OPEN

デザイナーマリエが手掛ける「パスカル マリエ デマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS)」初のショップ「スタジオ(STUDIO WORKS)」が、2ヵ月の期間限定で東京・下北沢の商業施設「リロード(RELOAD)」に6月16日オープンした。同店では、アパレルを中心に、フラワーアーティストの志村大介との共作アート・フラワーブーケや多くの創作活動を共にするレザーアーティストのトミーメイド(TOMY MADE)とコラボアイテムに加え、ライフスタイルグッズや家具も販売する。アートの展示やトークショー、新作映画の試写会なども毎週開催予定だ。

Message from PASCAL
スクラップアンドビルドなんてもう懲り懲りだ。もう無駄なものは作りたくない。好きな人と一緒にいたい。新しい場所と仲間が作り上げる未来はきっとよりサステナブルな未来であることを信じて。

■PMD コンテンポラリーショップ “STUDIO WORKS”
日程:6月16日〜8月13日
営業時間:平日11:30〜19:30 土日祝 11:00〜19:30
住所:東京都世田谷区北沢3-19-20

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