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切り取られても頑張る価値 エディターズレター(2021年6月17日配信分)

※この記事は2021年06月17日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

切り取られても頑張る価値

 このSOCIAL & INFLUENTIALを含む「エディターズレター」は、メールマガジンの割になかなかの開封率、そして下記にある関連記事のクリック率(CTR)を誇っています。特にこのお手紙は、今のところ開封率No.1(イェイ!!)です。

 とはいえ、このお手紙をバックナンバーとしてウェブ記事にアップしても、パフォーマンスは低調です(苦笑)。「PVが少ない」だけだったら良いのですが、時にはネガティブなご意見とともにSNSに出回ってしまいます。例えば、このお手紙。メルマガの形で、配信を希望してくださった方に、日常的なコミュニケーションの1つとして届けた時は、「そうだそうだ~」とか「そうかもしれない」というご意見が多かったのです。ところがウェブの1つの記事として、おそらく通常の記事とメルマガの違いもご存知ない方(見せ方については、改善の余地アリです)が、この記事単体にアクセス、つまり切り取られた日常的なコミュニケーションの断片としてご覧いただいた時のリアクションは、結構ネガティブ。軽く炎上しました。タイトル含め文面は、全く変わっていません。でもリアクションは、ほぼ正反対。強固なコミュニティーのありがたさと、「切り取る」「切り取られる」ことへの覚悟などを感じた次第です。余談ですが賛否両論となったこのお手紙については、その後「スック」がカラーコスメの販売を「売り切り御免」方式に改めていくというニュースを聞いて、「うん、私は100%間違っているワケじゃない」と思っています。頑固者です(笑)。

 そんな経験を経たからでしょう。ジェンダーやルッキズムに対して積極的に発信するアイドル和田彩花さんの「『言った方がいいな』という気持ちが先行するんです。言えば、誰かが知るきっかけになるかもしれませんから。発信していると、共感してくれる人がどんどん集まってくるんです。それぞれの意見を尊重してくれる人が集まり、ファンを別のファンが助けてくれるようなコミュニティーが生まれます」という言葉は、スッと心に入ってきました。対談相手の辻愛沙子さんによる、大人のための新しい教養の場「ソーシャルコーヒーハウス」についても「いいですね。すごく楽しくなると思いますよ」と語ります。ご自身がファンと、すでにそんなコミュニティーを形成している経験を踏まえての激励です。

 発信は、とにかく勇気のいることです。「切り取られる」こともあるから、なおさらです。「ポカリスエット」の“アオハルって、いいなぁ~”なコマーシャルでさえ、「こんな“アオハル”、私、体験してないから!」を皮切りに批判が繰り広げられるシーンをSNSで見ると、ますますビビります(苦笑)。

 でも、和田さんの話を聞いていると、「頑張る価値は、存在するんだ」と思えます。特に私たちのようなメディアは恐れず発信することで、「みんな、発信して良いこと」を啓蒙し、皆が発信しやすいムードを作り、対話できる文化を築き、社会を前に進めるという使命があるんだ、と思います。メディアのみならず、皆に、その責任があるのかもしれません。

エディターズレターとは?
「WWDJAPAN」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在8種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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