ビジネス

「らしさ」の正体 エディターズレター(2021年6月18日配信分)

※この記事は2021年06月18日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

「らしさ」の正体

 おおー、「アシックス」様‼︎よくぞ、よくぞ、東京五輪応援Tシャツにファッション性を取り入れてくださいました‼︎

 応援Tシャツを含め、スポーツブランドのウエアは業界のトンマナというか、既成概念というか、凝り固まり気味の世界観に基づく商品が多い印象でした。以前もお話したと思うのですが、「なぜ、ここにイナヅマが⁉︎」とか「この渦、なきゃダメかしら?」などが、特にアクティブウエアには多い印象です。だから「ギャクソウ」や「アディダス バイ ステラ マッカートニー」なんかを着てしまいがちな私ですが、最近はいよいよフツーのTシャツとかシャツ、シャカパンで運動するようになってしまいました。サイズ感も同様ですよね?「カラダ作り」という価値観を重んじているせいか、どうもアクティブウエアはジャストサイズ一辺倒な気がして。あと、メンズで言えばトップスの裾、長すぎやしませんか(笑)?

 世間一般を見ても、スケボーやボルダリングなどの新興スポーツから、カープ女子に代表される若い世代の応援スタイルに至るまで、「スポーツだから」とか「ずっとこうだったから」という因果律には縛られなくて良いのでは?と思います。その意味で「アシックス」のオーバーサイズの応援Tシャツは、偉大な一歩だと思うのです。

 最近、彼女の話ばかりしてしまい恐縮ですが、企業やブランドの広告や商品開発などを手がけるアルカの辻愛沙子さんが下の記事でお話している通り、ファッションやビューティだからこそ、画一的な「らしさ」に染まらない表現はできるはず。そして、淡い色彩がトンマナなオーガニック・ナチュラルコスメ界において原色な「ラッシュ」が強烈な異彩を放っているように、「らしさ」から解放されたブランドは独自性を帯びることができると思うのです。

 「らしさ」は、期待でもあるかもしれません。と同時に、足枷かもしれない。そんな風に考えるべきなのでしょうか?

FROM OUR INDUSTRY:ファッションとビューティ、関連する業界の注目トピックスをお届けする総合・包括的ニュースレターです。「WWDJAPAN Digital」が配信する記事から、特にプロが読むべき、最新ニュースや示唆に富むコラムなどをご紹介します。

エディターズレターとは?
「WWDJAPAN」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在8種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。