ファッション

アッシュ・ぺー・フランスと25年協業するデザイナーが考える展示会の意義

 イタリア人クリエイターのステファノ・ポレッティ(STEFANO POLETTI)は4月半ば、アッシュ・ぺー・フランス(H.P.FRANCE、以下、HPF)主催の展覧会で来日した。ステファノは、パリを拠点に活動するクリエイター。同展では、彼が手掛けた繊細な新作ジュエリー“エデン”をはじめ、一輪挿しやキャンドルホルダーなどのオブジェなど代表作を展示販売した。アッシュ・ペーと彼との出会いは25年前。某フランス人バイヤーの紹介がきっかけで、ステファノのポエティックなクリエイションがHPFの目指す世界観を表現していると、長年にわたるコラボがスタートした。彼はHPFが販売するジュエリーやオブジェのみならず、アッシュ・ぺー・ビジュー(H.P. BIJOUX)のロゴのグラフィックからパッケージ、ブティックのアート・ディレクションまで手掛けた。来日したステファノに、クリエイションに関して、HPFとの長年の取り組みについて聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):ミラノ出身だが、パリを拠点にしている理由は?

ステファノ・ポレッティ(以下、ステファノ):ミラノでモードを勉強して、ファッション・ショーを見にパリに来たら、パリという街に恋をしてしまったんだ。ミラノでもファッション・ショーは見れるけど、パリの方がよりインターナショナルだと思ったから。ミラノとパリは近いから、ミラノはパリの郊外って感じだよ。

WWD:ジュエリーをはじめ、オブジェなどさまざまな作品を通して表現したいことは?

ステファノ:ミラノにはメンフィス(1981年に結成された多国籍デザイナー集団で、イタリアの建築やデザインに影響を及ぼした)などのムーブメントがあったけど、ジュエリーにおける動きはあまりなかった。もともと、内装やデコレーションへ興味があったから、初めて作成したジュエリーはガラスの一輪挿しがネックレスのトップになっているんだ。“ボタニキュス”という名前インスピレーション源はコモ湖で過ごした子どもの頃の思い出。現代社会では、公害などいろいろな問題があるから、作品を通して生い茂る緑や咲き乱れる花々、水辺の美しさなど自然を表現したいと思う。

WWD:ムラーノ・ガラスを用いた作品が多いが、その魅力とは?

ステファノ:ベネチアは独特の情緒がある素晴らしい街。訪れるたびに感動する。そのベネチアの伝統ともいえるムラーノ・ガラスはとても特別な素材。まるで、魔法がかけられたようにさまざまな形になるし、光の反射で美しく輝く。それを作り出す何世紀も変わらない職人たちの技術にも魅了されるよ。

WWD:HPFとの長年のとりくみについては?

ステファノ:HPFは25年以上の付き合い。私たちは友人同士のようなもので、一緒に成長してきた。HPFは私のビジョンを理解し、自分の中に眠っていた新たな創造性を発掘してくれたといってもいいほどだ。今回の展覧会は、改めてHPFとの深いつながりを実感するいい機会になった。

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