緊急事態宣言が21日に解除されることを受け、大手百貨店は土日および祝日の全館営業を26日から再開する。百貨店の土日も含めた全館営業は、3回目の緊急事態宣言が発令された4月25日以来で約2カ月ぶり。ただ、大半の店舗は時短営業を継続する。
大丸松坂屋百貨店、三越伊勢丹ホールディングス、高島屋など主要百貨店が土日も全館営業の再開を相次いで発表した。阪急阪神百貨店も土日を全館営業に戻すことを決めた。
宣言下では、休業要請の対象外となる「生活必需品」の範囲を広げたい百貨店と、それを阻止したい自治体の間で駆け引きが続いていた。6月に入ると休業要請が一部緩和され、平日はほぼ全館営業に戻った。だが、土日は人流抑制の名目で豪奢品と呼ばれるラグジュアリーブランドや宝飾品などの売り場の休業が続いていた。感染拡大が深刻だった大阪府と兵庫県では、土日に衣料品売り場を休業する店舗も多かった。稼ぎ時である土日に販売できないことはアパレル業界にとって大きな痛手になった。
百貨店各社は混雑を避けるため、店舗をあげて一斉に行うクリアランスセールを控える。昨年同様、五月雨式に衣料品のセールが一部で始まっている。