「プラダ(PRADA)」は、2022年春夏メンズ・コレクションをデジタル形式で6月20日に発表しました。ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)とラフ・シモンズ(Raf Simons)による、ウィメンズとメンズを合わせて4回目のコレクションです。映像は、曲がりくねった赤いトンネルを抜けると無人のビーチへとたどり着く演出で、4回目のデジタル発表で初めて屋外へと出て行きました。撮影が行われたのはイタリアの高級リゾート地であるサルデーニャ島で、プラダ社はこの島にあるカルボナーラ岬の海洋生態系回復を目指すプロジェクトでMEDSEA財団を支援をしています。展示会は、撮影でも登場した赤いトンネルで行われました。
今季のテーマは“TUNNEL TO JOY(喜びへのトンネル)”。ビーチという現実世界のユートピアに見知らぬ人々が集い、喜びを共有するというコンセプトです。ルックはスイムウエア×テーラードの提案が中心で、ラフ加入後のコレクションの中ではデザインもシルエットもシャープでミニマルな印象を受けました。
薄手のコットンで仕立てたジャンプスーツはブラックとホワイトの2色で、子供が外で遊ぶときに着る、活発な衣服をイメージしています。白には人魚やタコなどの海洋生物が、タトゥー風のグラフィックで描かれています。テーラードはスリムとボクシーの2種類で、ボトムはワイドシルエット。終盤ではショーツを膝上までロールアップするスタイリングが登場。パンツの内側には隠しベルトループが付いており、ウエストをルーズに見せながら履く提案です。ボクサータイプのスイムウエアは、1950年代のスイミングキャップの鮮やかな色彩から着想を得て、さまざまな幾何学柄をプリントしています。ハンドペインティングしたオーバーサイズのバイカージャケットはバイクでビーチに来た人、パイル地のフーディーはビーチ近くに住む青年、レインコートは海に入らないけれどビーチが好きな人など、異なる趣味嗜好やライフスタイルの人物をイメージしています。
そして今季はバッグが豊富でした。ブランドのモチーフであるトライアングル型の肩がけタイプや、筒型とトライアングル型のハンド&バックパックの2wayで持てるバッグなどがウールやレザー、”リナイロン(Re-Nylon)”、コットン素材でそろい、パラソルのストライプ柄を模したパターンもありました。ダース・ベイダーのヘルメットのように頭部を覆うバケットハットは、サングラスをドッキングできる構造です。サングラスの重みでツバが下がりますが、斬新なアイデアでした。シューズは、ビーチの岩石に咲く花をイメージした装飾が付くレースアップシューズや、新作のラバーソールサンダルが並びます。秋冬にはなかったジュエリーは、シルバーに黒のコーティングが施されたタコや碇のモチーフのピアスが登場しました。