ビューティ

ホテル空間のようなレディースドッククリニック 記者が検診を体験リポート

 コロナ禍で健康に関する意識が高まり、女性特有の健康課題に向き合う“フェムテック”市場も広がりを見せている。ただ、年に一度受けることを推奨されている一般的な日本の企業健診には、女性特有の病気や疾患を検査する健診メニューや設備が十分に備わっていないことが多い。その課題に向き合うべく、「クレアージュ東京 レディースドッククリニック(以下、クレアージュ)」が今年3月東京・有楽町に開院した。女性の罹患率・死亡率が高い乳がん、子宮がん、大腸がんに加えて子宮内膜症や子宮筋腫などを総合的にカバーする「YOU健診」のほか、年齢やライフプランに合わせた人間ドック健診プランをワンストップで受けることができる。

 「WWDJAPAN」編集部では20代と30代の異なる世代の記者が、それぞれの年齢に合わせたプランで「YOU健診」を無料体験。検診の事前準備やクリニックの設備、検診内容などをリポートする。

【取材者】
木村和花「WWDJAPAN」記者:20代女性記者。2020年に「WWDジャパン」編集部に配属以降、フェムテック分野を担当。ファムメディコによる女性特有の疾患を対象にした「YOU検診」の存在を知り、定期検診の重要性を認識する。今回は20代推奨メニューの子宮頸部細胞診、経膣超音波、便潜血、乳房超音波を受けた

大杉真心「WWDJAPAN」記者:30代女性記者。19年からフェムテックを取材し、女性特有の病気や疾患、養生法に関心を持つようになる。今回は30代推奨メニューの子宮頸部細胞診、経膣超音波、便潜血、乳房超音波、乳がん検査、オプションでアレルギー検査も追加

①事前準備から受付
“人目を気にせずオンライン回答”

木村:事前に検査内容などが書かれた書類と検便キットが送られてきました。検査日までに検便と、オンラインの問診票への回答が必要です。前日21時以降は食事が禁止で、朝は空腹で検査に向かいました。

大杉:私は期日までに書類が届かず、当日準備なしで病院に行ってしまいましたが、問診表はその場でQRコードを読み取って回答できました。これまで病院ではバインダーを渡されて書くことが多かったですが、「クレアージュ」では自分のスマホで操作できるので人目を気にせず簡単に済みました。呼び出すときも名前ではなく、番号で呼ぶ点も配慮が徹底されています。受付はとても綺麗でアロマの香りもしましたね。

②空間・設備や検査着をチェック
“ホテルのような空間とおしゃれな検査着”

木村:実は初めての婦人科検診で、行く前は結構緊張していましたが、受付のスタッフさんは当日の動きをすごく丁寧に説明してくれて、病院についてから緊張が和らぎました。病院というよりホテルのイメージの方が近いかもしれない。検査着は体のラインが出ないように配慮されていて、ストレスなく着ることができました。更衣室も木目調のロッカーで落ち着いた雰囲気でした。

大杉:スタイリストの百々千晴さんがディレクションした検査着は、ネイビーを基調にしたおしゃれなパジャマのようなデザイン。検査のためにブラジャーを外して着用しますが、透けやひびきも気になりませんでした。共布の巾着も、移動中に私物を持ち運ぶにはとても便利でしたね。

③いよいよ検診開始
“ホスピタリティーに安心感”

木村:私は子宮頚がんの細胞診とエコーと乳房超音波を受けました。子宮頚がんの細胞診とエコーは子宮のチェックですが、合わせて5分もかからず、すぐに終わりました。乳房超音波はジェルを塗布した状態で、超音波診断装置を胸に当てて検査します。これは大体10分弱。痛みはなく、最後に温かいおしぼりを渡してくれるところもホスピタリティーを感じました。

大杉:私は生理が被ってしまって子宮関連の検診と、初めての乳房エコーとマンモグラフィーを2日に分けて受けました。生理中でも検診可能なマンモグラフィーは機械の上に胸をのせ、縦横順番にぺったんこになるまで胸を挟んで、何秒か止まってX線撮影を行います。生理中ということもあり、電車のドアに胸を挟まれる感じで少し痛みを感じました。病院のスタッフさんが随時「気分悪くないですか」と声を掛けてくれたので安心でした。

④検診後のサプライズ
“ドリンクとスイーツのサービス”

木村:検査が終わった後は、中央のカウンターにいるスタッフにファイルを渡します。そこで最後にドリンクとオリジナルスイーツがもらえました。ドリンクは水と、浜中聡子総院長がセレクトしたというハーブティーの中から選べます。検査後にアフターケアをしてくれるのは新しいですよね。

大杉:検査後にドリンクを飲みながら一息できるスペースもあって、緑豊かな皇居周辺を一望できます。通常の病院のように雑誌や本は置いていませんが、みんなスマートフォンを見たりすると思うので今の時代、必要ないなと思いました。スタッフの制服がいわゆるナース服ではなく、エプロンドレスのような上品なデザインであることも、病院感が少ない要素かもしれません。

木村:病院にある長椅子ではなく、おしゃれなソファや一人掛けのチェアが置かれていて、プライベートも保たれていましたね。アロマが焚かれていて、観葉植物が飾られているのもおしゃれでした。検査のストレスはどうしてもありますが、スタッフの方々は全体的に説明がとても丁寧ですし、居心地の良い空間作りが徹底されていて、検査以外のことは何も気にしなくてよかったです。

⑤検診を終えて
“自分の体を知ることと、社会的なサポートの重要さに気が付く”

木村:結果は3週間後に郵送で手元に届きました。普段から健康には気を付けているつもりでも、やっぱり一度きちんと診てもらうことで安心感が違います。今回の健診は女性にとっては必須な内容です。これが通常の健康診断と同様に多く女性が当たり前に受けられるまで広まってほしい。そのためには企業や社会的なサポートがもっと必要だと思います。

大杉:検診日に生理日が重なり2回足を運ぶことになりましたが、有楽町駅直結の立地でアクセス面もよく、短時間で終わらせることができて助かりました。当日にアレルギーのような肌荒れが気になっており、窓口で相談してオプションでアレルギー検査も追加できました。採血だけで36項目のアレルギー原因が分かります。自分の体のことをよく知ることは大事ですね。またこのように検査について人と話せるのは私たちにとっても良い経験でした。検診料は安いとは言えませんが、これが福利厚生で受けられたらいいですよね。

■クレアージュ東京 レディースドッククリニック
時間:8:30~16:30
休診日:日・月曜日・祝日
住所:東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館17F
検査料:レディースドック ベーシックコース 税込8万300円、YOU健診(子宮・卵巣、大腸、乳房の検査)同2万5300円〜

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。