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パリの老舗百貨店サマリテーヌが16年ぶりに再開 ヨーロッパ大陸最大のビューティフロアなど

 仏パリの老舗百貨店サマリテーヌ(LA SAMARITAINE)は6月23日、16年に及ぶ長期リノベーションを経て営業再開した。オープン前日に催された落成式には、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領やベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)会長兼CEOが出席した。

 約4万5000平方メートルあるプランタン(PRINTEMPS)や本館だけで約7万平方メートルあるギャラリー・ラファイエット(GALERIES LAFAYETTE)といった、パリ市内にある有名百貨店と比較すると、サマリテーヌの売場面積は約2万平方メートルと小さい。これについてアルノー会長兼CEOは、「大きい館はスペースを埋めるのが大変だ。小さい方が厳選できるから優位だ」と説明する。同館では約600ブランド扱い、そのうち50ブランドは同館限定出店となる。

 約3400平方メートルある地下1階は、ヨーロッパ大陸最大のビューティフロアだ。世界中から選りすぐった200のブランドを展開し、サステナブルを売りにしたビューティブランドも約50ブランドが出店するほか、スパやヘアトリートメント、メイクアップレッスンといったサービスも充実している。

 サマリテーヌは1870年創業。LVMHが2001年にサマリテーヌの過半数株式を取得し、10年には完全子会社化している。同社は7億5000万ユーロ(約975億円)をサマリテーヌに投資しているという。今回の改装は日本の建築事務所SANAAが担当。LVMHが運営する免税店のDFSや、同じく傘下の高級ホテルであるシュバル ブラン(CHEVAL BLANC)も併設。シュバル ブランはセーヌ川を見下ろせるように設計され、9月7日にオープン予定だ。

 サマリテーヌは建築的な観点からも、美術的な観点からも象徴的な建物になるとアルノー会長兼CEO。また、再開に伴いパリに3000人分の雇用を創出する点も、今般の状況に鑑みると非常にインパクトのあることだと説明する。サマリテーヌの経営陣によると、パリに観光客が戻ってくるのに2年はかかるとしつつも、3~4年以内に来館人数500万人を目指すという。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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