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「どういう服がサステナブルなのか分からない」 エディターズレター(2021年6月24日配信分)

※この記事は2021年06月24日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

「どういう服がサステナブルなのか分からない」

 アメリカの消費者調査で「どういう服がサステナブルなのかが分からない」と答えた人が42%いたということですが、これ、私もです。再生素材を使っていれば、サステナブルなのでしょうか?短絡的に「イエス」とは言い難いですよね?その再生素材自体も含めて、生産の工程もサステナブルかも気になります。そんな人が多いからでしょう。「環境保護に取り組んでいるというブランドの主張をそのまま信じることはできない」と考えている人は88%。これにも頷けますね。

> アパレルブランドは信用できない? サステナに関する米消費者アンケート

 サステナビリティというと、素材や工程に目が行きがちですが、アパレル業界の大きな課題の1つは「大量廃棄」。いくらサステナブルに作られても、売れ残って廃棄されては、元も子もないですよね。「欲しい!」と思ってもらえるものを過不足なく求める人に届ける、ということもサステナビリティにおいて、すごく大事だと思うのですが、ブランドがそんな供給ができているか、作り過ぎていないかどうかなんていうのも、なかなか知り得ない情報です。

 そんな中で、じゃあ私たちはどう選ぶんだよ!と若干投げやりになりそうになりますが、よくよく考えてみれば、そのサステナブルじゃないかもしれない商品をどれだけ長く着るか、着なくなったあとにどうするかということに関しては、私たち次第なんだよなと。すごくサステナブルな商品でもすぐに廃棄されては意味がないですし、たとえ石油由来の素材であっても、10年大事に着れば結構立派なサステナブルファッションと言えるんじゃないでしょうか。土に還らない素材ならば、それを再生できるところに持って行くこともできます。

 「できるだけ長く、大事に服を着るようにしている」と言う人は何%くらいなのでしょうね?「捨てないようにしている」は結構高い数値が出そうな気がします。よかったら皆さんもアンケート回答者のつもりで考えてみてください。

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