ハイウエストのボトムスがロングヒットになっています。支持されている理由は、ウエスト位置が高く見えて、脚長に映ることに加え、“すっきり・ほっそり・こなれ”の3大メリットが期待できるから。特にデニムパンツはファンが多いアイテム。トップスや羽織り物などの“相棒アイテム”次第でムードを変えられるので、多彩な着こなしを楽しめます。
ジジ・ハディッド(Gigi Hadid)は、バンドゥトップスの上からストライプ柄のデニムシャツをジャケット風に羽織って“デニムonデニム”の出で立ち。バンドゥにかぶせたシャツが肌の露出をセーブしながら、デニムパンツとの“つなぎ役”も務め、全体をなじませました。
ほどよい肌見せは、トレンドの“ヘルシーなセクシー”にもぴったり。ハイウエストを引き立てるうえでも、健康的なヌーディー感が一役買っています。今回はハイウエストのデニムパンツにマッチする、今年らしいトップスの着こなし術を集めてみました。
袖コンシャスなブラウスが好バランスを発揮
ハイウエストのパンツは縦方向に長さがある分、存在感があります。そこで、トップスにもボリュームを持たせると、全体のバランスが整いやすくなります。
張り出しポケットがたくさん付いたデニムパンツは、凝ったディテールとハイウエストでいっそうアイキャッチーに。“袖コンシャス”な装飾ブラウスは、そんな印象の強いボトムスにも負けない存在感があります。ブラウスの裾をきっちりウエストインして、くびれを強調することで、コルセットを着けているかのようなタイト感が備わりました。大きく開いたスクエアネックがデコラティブな両袖を引き立てています。
2枚目のハイウエストの白デニムパンツは、裾がフレア気味なのでレッグラインが伸びやかな印象。“ハイウエスト×フレア丈”は脚がより長く見える掛け算です。腰から下が強調される分、トップスにも見どころを増やすのが賢いスタイリング。特大の襟と斜めに重ねたカシュクール、肩口がふくらんだ“袖コンシャス”の3点セットで視線を引き込む仕掛けです。クロップド丈のシャツで、ちょっとだけウエストをチラ見せすることで細さを引き出しました。
コンパクトなトップスでめりはりを強調
ハイウエストを上手に着こなすコツの一つに、トップスをコンパクトにまとめるコーディネートがあります。先に挙げた、トップスに装飾性を持たせるスタイリングの逆バージョンで、上下でボリュームを変えてめりはりを出すテクニックです。
体にピッタリなじむタイトなTシャツをきっちりウエストインすることで、コントラストが際立ちました。細ベルトを巻いて、極細チェーンのバッグを肩から掛けて、きれいめで華奢な印象もプラス。靴をほぼ隠すほどのロング丈のパンツは、スレンダーさが強調されます。ややヒッピー感の漂う組み合わせで、都会的な1970年代ルックにまとめました。
上半身の細さを印象づけるなら、黒がベストチョイス。ボディコンシャスな“肌ピタ”トップスはいっそう引き締まって見えます。2枚目の写真は、細身の黒トップスでスレンダーな上半身を演出。重く見えないのは、ほんのり透けるシアー素材だから。肌になじむストレッチ仕立てを生かして、ヘルシーなシルエットを際立たせています。トップスの裾はきっちりインして、脚が長く見えるハイウエストの強みを最大限に引き出しています。セミフレアのシルエットとたっぷりのレングスも伸びやかな脚線をアピールする効果大です。
クロップドジャケットで“短×長”のコンビネーション
着丈のバランスをわざとずらすと意外さが生まれ、こなれた印象に仕上がります。縦に長いハイウエストパンツと好相性を発揮するのは、着丈の短いジャケットです。
1枚目の写真は、デニムパンツ2本を重ねばきしているかのような、ギミックを効かせたウエストのデザインがユニーク。その分、縦長のイメージも強まっています。黒のスキッパートップスの裾をウエストインして、腰から下とのコントラストもくっきり。さらにクロップド丈のレザージャケットを重ねて、上半身の引き締まった印象を増幅させました。ハイウエストが目立つよう、ジャケットは前開けが基本。レザーとデニムという質感のずれも動きを生んでいます。
ハイウエストのパンツはベルトを巻くことで、さらに印象を強めることができます。ベルトの表情が着こなしのムードメーカーになる仕掛け。2枚目の主役はフレアシルエットのデニムパンツ。復活トレンド、ヒッピーテイストを醸し出しています。髪型や靴に加えて、ベルトでもヒッピーやフォークロアの気分を濃く打ち出しました。ベルトマークと斜め掛けバッグで、ウエストに視線を呼び込んでいます。クロップド丈の羽織物が“短×長”に揺さぶりをかけて、伸びやかなレッグラインを引き立てました。ハイウエストのパンツをスタイルアップにつなげる、お手本的なコーディネートです。
ハイウエストのデニムパンツに、ロマンチックなブラウスやコンパクトなトップス、クロップドジャケットといった“相棒アイテム”を迎えれば、“すっきり&ほっそり見せ”がかないます。70年代ブームにもぴったりな裾広がりのデニムパンツを合わせれば、さらにスタイルアップのメリットを引き出せそう。トップスや羽織物で印象をガラリと変えて、多彩な着回しを楽しんでみてください。