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悩みという方程式を、因数分解で解いて「解の公式」を手に入れたい! エディターズレター(2021年6月28日配信分)

※この記事は2021年06月28日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

悩みという方程式を、因数分解で解いて「解の公式」を手に入れたい!

 「できません!」と相談・告白された時は、「どのステージで止まっているのか?」を確認します。例えば、「WWDJAPAN」が正直まだまだ成し遂げきれていない「社外の人を起用して、多様な意見をアップしよう」という目標に対して「できません!」と相談されたときは、「どんな人を起用したら良いのか、想像できないのか?」「『こんな人がいたら』とは思っているけれど、具体的に思い浮かばないのか?」「その人と、意見が折り合わないのか?」「ギャラの交渉で苦労しているのか?」「記事は上がってきたけれど、想像と違っていたのか?」などの「どこで?」と聞くのです。あ、そもそも「社外の人を起用して、多様な意見をアップしよう」という考えに賛同していない、という場合もありますね(苦笑)。こうしたケースはいずれも「方程式が解けない」状況に似ているのかな?と思います。「どの公式を使ったら良いのか、わからない」「どの数字を代入したら良いのか、わからない」「代入はしたものの、複雑すぎて計算できない」「導かれた答えが、なんか違う気がする(美しくない)」……。方程式の解にたどり着くまでには、さまざまな関門があります。それに似ている気がするのです。

 「できません!」という相談・告白には、上述の問題が複雑に絡み合っている場合もあります。上述の目標に対しては、例えば「自分でやった方が早い」という理由で、なかなか前に進まないケースも多数です。この場合の問題は、そもそも「社外の人を起用して、多様な意見をアップしよう」という考えに賛同していない × (心から賛同していないから)「『こんな人がいたら』が具体的に思い浮かばない」の掛け算であることもしばしばです。この場合は、因数分解が必要です。このケースでは、もうちょっと賛同してくれれば、具体的な人選が前に進むかもしれません。ゆえに話し合うべきポイントは、「社外の人を起用して、多様な意見をアップしよう」に納得してもらえるか否か、なのです。「自分でやった方が安い」という理由で、前に進まないケースもありますね。これもまた、「社外の人を起用して、多様な意見をアップしよう」という考えに賛同しきれていない上に、「ギャラの交渉で苦労している」から、「だったら自分でやっちゃおう」になっている場合があります。

 こんな風に、悩みを過程別・項目別に分解する作業は、結構楽しいものです。そしてこの作業に慣れてくると絶対的な指針、数学で言うところの「解の公式」、二次方程式で言えば「x={-b±ルート(bの2乗マイナス4ac)}/2a」が見つかることもしばしばなので、オススメしたいと思っています。

 私の場合「解の公式」は、「ユーザーが欲しているもの」です。昔は「専門紙発祥のメディアなんだから、書くのは我々、業界に寄り添っている記者であるべき」とか「速報性が大事だから、社内の人間で対応したい」など、いろんな思いの掛け算を繰り返してしまい、正直、とっ散らかって頑なだったこともありました。ところが方程式を解くために因数分解も繰り返し、「ユーザーが欲しているもの」と言う「解の公式」にたどり着いたら、アラ不思議。「ユーザーが私たち以外の意見も望んでいる」や「早さより、広さを期待しているのでは?」と思えた時から、「社外の人を起用して、多様な意見をアップしよう」に邁進できるようになりました。

 無論「WWDJAPAN」のユーザーは、業界人もエンドユーザーも、男性も女性も、老いも若きもなので、「ユーザーが欲しているもの」と言う「解の公式」さえなかなか難しいモノです。それは、「x={-b±ルート(bの2乗マイナス4ac)}/2a」が「全然簡単じゃない」のと同じでしょうか(笑)?

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